よくある夫婦の会話
【よくある夫婦の会話】
♂1人 ♀1人 計2人
5分
夫 ♂
嫁 ♀
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夫「ただいまー」
嫁「あなた、おかえりなさい。ご飯にする?お風呂にする?それとも…」
夫「明日朝早いから、今日はもう寝るとするよ」
嫁「ちょっと!まだ最後まで言い終わってないでしょっ!?」
夫「ほんとに君は、結婚当初から変わらないな…」
嫁「なによそれ、ひどい…。飽きないように、ちゃんと毎日変えてるのよ?」
夫「…そうなのか」
嫁「そうよ?今日は、普通なら『わ・た・し♡』ってなるところを、『た・け・し♪』って言うつもりだったのよ?」
夫「たけしって誰だよ」
嫁「隣の山内さんとこの一人息子のたけし君よ」
夫「あぁ…隣のたけし君か」
嫁「そうよ。今年小学校に上がってね。毎朝元気に挨拶してくれるのよ」
夫「もう小学生になったのか。たしか、俺たちが引っ越してきた時に生まれたんだったよな」
嫁「そうそう。挨拶行ったら、産気づいちゃって」
夫「旦那は免許持ってないとかで、俺たちが病院まで連れて行ったな」
嫁「そのたけし君よ」
夫「そうか。…とりあえず、部屋に入ってもいいかい?」
嫁「ええ、もちろん。だってここはあなたの家でしょ?」
夫「うん。目の前に立たれていると、入れないんだけどな…?」
嫁「私だって、別にここに居たくて居るんじゃないのよ?ここ寒いのよ?いつあなたが帰ってきてもいいように、2時間も前からここで待っていたの。体が冷え切っちゃってるわ…」
夫「じゃあ、部屋に行けばいいじゃないか」
嫁「ダメよ。だってまだ、ただいまのチューをしてもらっていないもの」
夫「え?…今なんて言ったんだ?」
嫁「ただいまのチューよ。『ただいま、今日も待っていてくれたのかい?ありがとう、僕も君に早く会いたくて急いで帰ってきたんだ。愛してるよ。チュッ』ってやつよ」(チュッも言葉で言う)
夫「…言っていて恥ずかしくないのか?」
嫁「恥ずかしいわよ」
夫「今までそんな事やったことないだろ」
嫁「そうね。でも、それはやらない理由にはならないわ」
夫「…どうしてもやらないとダメか?」
嫁「別に無理にとは言わないわ」
夫「でも、やらないとそこを退いてはくれないのだろう?」
嫁「そうね」
夫「…はぁ。分かったよ。えーっと…なんだったけ?」
嫁「『ただいま、今日も待っていてくれたのかい?ありがとう、僕も君に早く会いたくて急いで帰ってきたんだ。愛してるよ。チュッ』…よ」(チュッも言葉で言う)
夫「よく覚えてたな…。本当にそれをやるのか…」
嫁「ちゃんと感情込めてね?」
夫「……。ただいまっ、今日も待っていてくれたのかい?ありがとう、愛してるよ。チュッ」(チュッも言葉で言う)
嫁「……」
夫「まさかの無反応…」
嫁「ダメ、やり直し」
夫「はぁ!?なんでだ…?」
嫁「まず、『僕も君に早く会いたくて急いで帰ってきたんだ。』が抜けてる。それに、チューは私に!私の唇にしないと意味ないでしょ!?なんで口で言ってるのよ!何よ『チュッ』って!バカなの!?」
夫「いや、君がそうやっていたから…」
嫁「はい、やり直し」
夫「…分かったから。とりあえず部屋に入らせてくれないか?」
嫁「ダメ」
夫「玄関、寒いんだが…」
嫁「私だって寒いわよ」
夫「じゃあ部屋に……」
嫁「ダメに決まってるでしょ?ただいまのシーンなのよ?部屋の中じゃ意味ないじゃない!帰ってきたときにやるから意味があるんでしょ!?」
夫「そんな事言ったら、もう帰ってきて時間経ってるけど…」
嫁「細かいことは良いの!細かすぎる男はモテないわよ。それでも気にするって言うなら、一回外にでも出ればいいじゃない」
夫「それは面倒だからこれ以上は言わないよ」
嫁「そう。分かればいいのよ。分かれば」
夫「ただいま、今夜は君が欲しいな。このままベッドに連れて行っても構わないかい?…っ、ほんとに冷え切ってる。先にお風呂にしよっか」(耳元で囁くように)
嫁「っ////」
夫「そんな真っ赤になって…ほら、こっち向け。んっ…。愛してるよ」
嫁「ふにゃぁ~…」(へたり込む)
夫「おっ…と、大丈夫か?」
嫁「不意打ちはずるい…。卑怯よ…。力入らなくなるじゃん…バカ…」
夫「これで通れるな…。よっ…と。じゃあ、俺は疲れてるからもう寝るぞ?」
嫁「…え?」
夫「おやすみ」
嫁「えぇっ!?お風呂は!?ベッドは!?私との熱い夜は!?」
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