よくある訪問販売の会話
【よくある訪問販売の会話】
♂1人 不問1人 ~10分
●訪問販売員
◇住人
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● 不問
◇ ♂
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●「あのーいませんかー。あのー!すいませーん!」
◇「ん…なんか外うるさいな…」
●「すいませーーん。誰か居ませんかー?」
◇「うちの前で何騒いでるんだ…?」
●「留守なのかなぁ…?えーっと、マニュアルマニュアル…まずは、商品サンプルセットを専用バッグにまとめます。ここじゃないや。もう少し先の…あぁ、これこれ。担当エリアの訪問先に着いたら…いち、チャイムを一度鳴らします。あっ!チャイム!!なるほど!!えーっと、あったあった。ぴんぽーんっと♪」
◇「あー…なんだよ。なんか困ってんのかと思ったら、ただのセールスか…。無視だな……」
●「あれー…返事ないなぁ…。えーっと、マニュアルだと……チャイムを鳴らしても反応がない場合、もう一度チャイムを押します、か。じゃあ、ぴんぽーん♪っと」
◇「あ?また鳴らしてきた…?うるせぇなぁ…。何回鳴らしても出ませんよーってなww」
●「出るまで何度でも鳴らしますよーっと。ピンポーン♪」
◇「はあっ!?え?こっちの声聞こえてる?間違えてスピーカー押してた?」
●「出ないなぁ…。やっぱり居ないのかな…」
◇「いや、気のせいか。いいから諦めて早く帰れよ…くそ…」
●「でも反応がない場合はもう一度チャイムだもんなぁ…。よーし、ぴんぽー―――」
◇「なんでだよっ!!!」
●「うわぁぁああ!!!」
◇「マニュアルちゃんと見ろよ!!居ない場合はパンフレットとか入れて、次の家に行くとかになってるだろうが!」
●「え?マニュアルですか?えーっと…、あ。ほんとですね。書いてあります」
◇「じゃあ、そうしろよ」
●「え?何でですか?今そこに居ますよね?」
◇「え?あ…やべ…」
●「えーっと、ご在宅の場合は…これだ。ちょっとお得な商品のご紹介がありまして、お話だけでもお聞きになりませんか?」
◇「あー…そういうの要らないから。別の家当たってくれる?」
●「え?何でですか?」
◇「なんでって、要らないからって言ってんだろ」
●「じゃあ、とりあえず一回玄関に入れてもらっていいですか?」
◇「なんでだよっ!?今の流れでなんで入れてもらえると思ってんだよ」
●「開けてくれるまでチャイム鳴らしますよ?」
◇「もう完全に脅しだな!?警察呼ぶぞ!?」
●「あ、それはマニュアルに書いてない返事ですので、『今開けますねー』に変えてもらってもいいですか?」
◇「だからなんでだよ!?え?何?ここまでの会話全部マニュアルに載ってんの!?」
●「はい、今の言葉も載ってますね。一言一句そのままです」
◇「こわっ!え・・・こわっ!?」
●「マニュアルってすごいですねぇ…」
◇「いや…マニュアルってそういうものじゃないと思うんだが…」
●「とりあえず玄関入れてもらえませんか?外でずっとこんなことしてたら、私、変な人に思われちゃいますよ」
◇「いや、もう完全に変な人なんだよ…。あー…もう…、出ないと絶対帰らないだろうし、あのマニュアルってのもなんか怖いし…」
●「ピンポーン♪」
◇「鳴らすなよ!?わかった!わかったから。今開けるよ…」
●「あ、お邪魔しまーす」
◇「ちょっ!?いや、靴脱ごうとするな!玄関までだから!」
●「え?あ、そうなんですか?まぁ、そういうことなら…」
◇「はぁ…完全にミスったなぁ…」
●「『これやっぱり、警察に連絡したほうがいいんじゃ…』って考えてますよね?」
◇「え…」
●「それは止めておいたほうがいいと思いますよ」
◇「な…、なんでだよ…」
●「私が捕まってしまいます」
◇「あ、もしもし警察ですか!?」
●「あ、だからダメですってば!!!」
◇「あれ?俺のスマホ…」
●「危ないから一応電源も切ってっと…。はい、こちらお返しいたしますね」
◇「い、いつの間に取ったんだよ!?」
●「まぁまぁ、そんなことはいいんですよ。今日訪問させていただいたのはですね」
◇「え?この流れで始めんの?」
●「そのために玄関に入れてもらいましたし」
◇「まぁ…そうなんだけどもさ…。話し終わったら帰れよ?」
●「それは、お客様次第…かもしれません」
◇「もういいや…。で、どんな商品なのよ?」
●「えーっとですね。ちょっと待ってくださいね。マニュアルに…あった。食事の時に何飲まれますか?」
◇「え?お茶とか?」
●「それはパックとかでお家で作られていますか?」
◇「まぁ、そうだけど?」
●「じゃあ是非、この商品はお勧めですね」
◇「あのさ」
●「今日ご紹介するのではですね。こちらの天然水でして」
◇「それってそのマニュアル見ながらじゃないとダメなの?」
●「えーっと…、すみません。その返答はマニュアルには載ってないみたいです」
◇「だから、なんで他のは全部載ってんだよ!?」
●「マニュアルですから」
◇「ちょっとそれ見せてもらっていい?」
●「え、まぁ…どうぞ」
◇「うわぁ…細か…。何パターンも受け答えのやり取り書いてあるな…」
●「私、この仕事始めたばかりでして、先輩にマニュアル見ながらやれば大丈夫だから行って来いと…」
◇「こんだけ事細かに載ってれば…な…」
●「では、マニュアルの方を返して頂いて…」
◇「なんで?」
●「え?」
◇「今ざっと読んだけどさ。水の訪問販売で、今キャンペーン中でって書いてたな」
●「はい」
◇「返したら、この流れやるんだよな?」
●「はい」
◇「じゃあ、要らないので帰ってください」
●「え?まだ何も紹介してないですよ」
◇「いや、だから。マニュアル読ませてもらって、内容わかった上で、要らないって返事をしてんだわ」
●「あっ!ちょっと待ってくださいね。こっちに第二巻があったはず…」
◇「第二巻?」
●「商品を断られた場合、次の商品を出す。お水はお気に召さなかったようですが、ではこちらの『今日からあなたも大工さん~いちから作る理想のマイホーム』という本はいかがでしょうか」
◇「まてまてまて!いろいろ情報が渋滞しすぎてて、わけわかんねーよ!処理できねぇわ」
●「こちらの商品はですね、毎月キッドの方が届きまして、材料と道具など全てそろっておりますので、お客様には土地のご準備だけしていただければ」
◇「勝手に話進めんなよ!?なんだよ土地のご準備だけって!その段階でいくらかかるんだよ!?」
●「場所によって坪単価も違ってくるのでまちまちですが、1000万ほどあればいいみたいですね」
◇「答え求めてるわけじゃねーんだわ…。って、それもマニュアルに」
●「はい。載っておりますね。ここまで完璧に一致するなんて、あっ!?もしかしてこのマニュアル持ってる方…?同業者とかですか!?」
◇「ちげーよ!?」
●「よかったです。ですが、こちらの商品もお気に召さないと…」」
◇「ちょっと意味わからなさ過ぎて興味は沸くのが余計にむかつくんだよなぁ
●「では、これは他のお客様にはあまりご紹介していない、特別な商品なんですけどね?」
◇「あ、それは聞いたことあるぞ。特別感を出して売り込もうってやつだな」
●「商品は私です」
◇「は?」
●「月額2万で私をレンタルできます」
◇「いや、要らないけど…?」
●「どんな内容でもお受けいたします。例えば、犬の散歩」
◇「犬飼ってないけど。借家だし」
●「じゃあ、飼ってるとして。毎朝、毎晩の散歩は大変でしょう。お仕事や旅行などもあるかもしれません」
◇「飼ってるとしてもなにもないんだよ」
●「それを私に頼めるのです。どうです?魅力的な商品でしょう?」
◇「いや、要らない」
●「レンタルは1回1時間の1日2回まで。2回分まとめての2時間としてもご利用いただけます」
◇「いや、だから要らないって…。あんたが毎日来るとか、なんの嫌がらせだよ…」
●「そうですか。お時間を取らせてしまってすみませんでした。お話を聞いてくださりありがとうございました。そちらのサンプルの天然水はサービスですので、ご自由にお使いください」
◇「あ、どうも」
●「では、また明日訪問させていただきます」
◇「は?なんでだよ」
●「マニュアルのそう書いておりますので」
◇「え?」
●「準備した全ての商品を断られた場合、別の商品をもって次の日に訪問する。と」
◇「まてまてまて」
●「では、お邪魔いたしました」
◇「え…嘘だろ…?明日もあいつ来んの…?」
●「あのーいませんかー。あのー!すいませーーん。誰か居ませんかー?留守なのかなぁ…?えーっと、マニュアルマニュアル…まずは、商品サンプルセットを専用バッグにまとめます。ここじゃないや。もう少し先の…あぁ、これか。担当エリアの訪問先に着いたら…いち、チャイムを一度鳴らします。あっ!チャイム!!なるほど!!えーっと、あったあった。ぴんぽーんっと♪」
◇「帰ってくれぇぇええええ」
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