変態が魔王で幼女は強い‐第1話『お菓子な出会い』

【変態が魔王で幼女は強い‐第1話『お菓子な出会い』】 

♂1人 ♀2人 計3人 

~40分 

 

〈登場人物〉 

魔王 ♂ 見た目25歳前後 

変態、女好き、ロリコン(?)、ドM、バカ。 

パッと見イケメンの残念魔王。 

※台本セリフの読み方:良いぞ=よいぞ 

 

ミィ ♀ 見た目10歳ぐらいの幼女 

職業:修道士。 

天然でドジっ子・・・? 

 

リン ♀ 18歳 

職業:魔法使い 

男口調で一人称は『オレ』。 

常に男装し、男としてふるまっている。 

女性であることを知っている人の前では口調が戻る。 

 

 

―――――――――――――― 

魔王 ♂ : 

ミィ ♀ : 

リン ♀ : 

―――――――――――――― 

 

リン「いやー、狩った狩ったー。けど、ここらのモンスターはもうほとんどいなくなったなー・・・」 

 

ミィ「もうすぐここも1年だもんねー。レベルもそこそこ上がったし、次の街行くー?」 

 

リン「それもいいかもなー。前衛職いないパーティーって大丈夫かよ?って思ってたけどさ。やってみりゃ案外どうにかなるもんだな」 

 

ミィ「ミィの回復のおかげだね♪」 

 

リン「たまに間違えて解毒魔法使ってたけどな?」 

 

ミィ「あれぇ~?そうだっけ~?」 

 

リン「ったく・・・。しっかりしてくれよ・・・」 

 

ミィ「あれ・・・?ドア開いてるね。開けて行ったっけ?」 

 

リン「そんな不用心なことしてねーよ。待て・・・。中に誰かいる・・・」 

 

ミィ「んー?おうち間違えたかなぁ?」 

 

リン「そんなわけないだろ!行くぞ!構えろ!」 

 

ミィ「だ、大丈夫・・・?」 

 

リン「オレの家に入り込むとは何事だ!?盗賊なら容赦しねぇぞ!!!」 

 

魔王「っ!?けっ、決して怪しいものでは・・・」 

 

ミィ「あー!それミィのおやつ!!!だめー!!!」 

 

魔王「ぐふぉっっっ!!!!」 

 

リン「ちょっとっ!ミィ!?何やってんだよっ!」 

 

ミィ「ミィのだよ!食べちゃダメ!!!」 

 

魔王「ぐあぁぁぁあああ、目がぁっぁあああ」 

 

リン「ミィ!目に指入ってちゃってる!やりすぎやりすぎ!」 

 

ミィ「おやつ取り戻したどー!」 

 

魔王「め、めがぁぁぁああ・・・」 

 

ミィ「あわわわわっ・・・!おやつに夢中になってたよっ!ごめんね?《キュア》!」 

 

魔王「ぬぉぉぉおおおおおおおっっ!!!」 

 

リン「え?苦しんでる・・・?」 

 

魔王「ぐはっ・・・はぁ・・・はぁ・・・。《トライスリカバリー》。ふぅ・・・。お前たち・・・なかなかやるな。吾輩に回復を使わせるとは・・・」 

 

ミィ「あれぇ?ミィちゃんと回復したよ?」 

 

リン「まさか・・・こいつ・・・。魔物っ!?」 

 

ミィ「あっ!魔物さんだから、聖なる回復はダメージになっちゃうのかぁ!」 

 

魔王「フハハハハハ。気付かれてしまっては仕方がない!吾輩は魔王!強大な魔力を有し、膨大な知識と、最高のカリスマ性で魔物を統べし王なり!」 

 

リン「魔王だって!?なんでこんな村に!?」 

 

ミィ「魔王のくせに、ミィのおやつドロボーするんだぁ!」 

 

リン「《フレイムストーム》!」 

 

魔王「ぐあぁぁああああああ!!!!」 

 

リン「効いてる!!」 

 

魔王「あついっ!ちょっ!!!ほんと熱いって!!!」 

 

リン「しゃべってる余裕なんてあるのかよ!《デッドイグナイト》!!!」 

 

魔王「ごはぁっ!?・・・待ってくれ!!吾輩はお前たち(に危害を加えるつもりはない!)」 

 

リン「《エクスプロージョン》!」(被せて) 

 

魔王「うがあああああああああああああああああああ」 

 

ミィ「リンちゃん!ちょっと待ってよ!魔王さん何か言ってるよ!聞いてあげようよー」 

 

魔王「ぜぇ・・・ぜぇ・・・。やっと止まったか・・・」 

 

リン「まだ生きてるのか!?」 

 

ミィ「リンちゃん!!!だめぇぇぇええ!!」 

 

リン「っっっ!?!??!?」 

 

ミィ「相手の話も聞かずに攻撃するのは可哀想でしょ!めっ!」 

 

リン「ご、ごめんミィ・・・け、けど。あいつは・・・」 

 

ミィ「魔王さん大丈夫?痛い?」 

 

魔王「ぐ・・・容赦ない攻撃・・・。それも、上級魔法まで使えるのか・・・」 

 

ミィ「リンちゃんはミィのパートナーだからねっ♪いきなり攻撃しちゃってごめんね?《ハイ・ヒール》」 

 

魔王「ぬぉぉおおおおおお!!!!」 

 

リン「ちょ!だからそいつ魔物だから回復は!!」 

 

魔王「ぐが・・・ごふ・・・・・・」 

 

ミィ「あー!そうだった!・・・てへっ」 

 

リン「あーあ・・・。さすがに死んだか・・・?」 

 

魔王「・・・がはっ!?げほっげほっ・・・。優しくすると見せかけての・・・神聖攻撃・・・。・・・・・・最っっっっ高に!!!良いではないかぁぁぁああ!!!」 

 

リン「うわぁぁああっ!?いきなり立ち上がんなよ!」 

 

ミィ「えへへ。なんか褒められちゃったー♪」 

 

魔王「ふははははははげほっげほっ・・・。ちょっと・・・タイム・・・。すーはーすーはー・・・」 

 

リン「これが・・・、ホントに・・・魔王。・・・なのか?」 

 

ミィ「リンちゃんリンちゃん!ミィ褒められたよー!良いでしょー?」 

 

リン「あー、うん。よかったねー・・・。けどミィ、あれに近付いちゃだめだよ?たぶんあれ、すごい変態だから・・・」 

 

ミィ「ほぇ?」 

 

魔王「よし!回復したぞ!改めて!吾輩はお前たちに危害を加えるつもりはない!安心したまえ!」 

 

ミィ「じゃあなんでここにいるの?ここ、ミィたちのおうちだよ?」 

 

魔王「勝手に入ったことはすまない・・・。だが、どうにも腹が減っていてな・・・。少しでいい、何か食べ物を(恵んではくれないだろうか?)」 

 

リン「《フレイムストーム》」(被せて) 

 

魔王「あっつっ!?ちょ!!!ホントに熱いからね!?それ!!!」 

 

ミィ「もぅ・・・。なんでリンちゃんはそんなすぐに攻撃するの?《ヒール》」 

 

魔王「ぬぉぉおおおお!!!」 

 

リン「ちょっまたっ!?」 

 

魔王「幼女の天然鬼畜攻め・・・!!!良いぞ良いぞぉ!!」 

 

リン「こっちもこっちでどうしようもなかったわ・・・」 

 

ミィ「だって回復しなきゃって思うんだもん!それに、魔王さんも喜んでるしだいじょーぶ!」 

 

魔王「なかなかに面白いぞ!」 

 

リン「はぁ・・・」 

 

魔王「待て待て!溜息はおかしいだろ!いきなり攻撃してきたのはお前だからな!?」 

 

リン「攻撃したくなったからな」 

 

魔王「理不尽だな!」 

 

リン「魔物に食わせる食料など、ここにはない。失せろ」 

 

ミィ「ねぇねぇ、リンちゃん」 

 

リン「ん?どした?」 

 

ミィ「えっとね、少しくらいならいいんじゃないの?」(小声) 

 

リン「ミィ!?何言ってるんだよ。こいつは魔物だぞ?それも魔王とか言い張ってる」(小声) 

 

魔王「おーい。聞こえているからな。吾輩は魔王だぞー、嘘ではないぞー」 

 

リン「ほら・・・。また魔王って言ってるだろ」 

 

魔王「無視どころか、小声すらやめたな!?」 

 

ミィ「けど襲ってきたりしてないよ。悪い魔物なら、襲って奪って終わりでしょ?こんなふうに話さないよ?」 

 

リン「それは・・・ん?待てよ・・・」 

 

ミィ「どうしたの?」 

 

リン「なぁ!あんたさ!」 

 

魔王「やっとこっちを向きおったわ!なんだ!食料を(分けてくれる気になったか?)」 

 

リン「なんで喋れるんだよ?魔物だろ?」(被せて) 

 

ミィ「あっ!そういえばそうだね!魔物って『ぽよんぽよん』とか『ぐぉぉおおお』とかしか言わないもんね」 

 

魔王「そう聞こえておるのか、まぁそうだな。話せるわけないであろうな。そもそもの言語が違うのであるからな」 

 

リン「あ、あれって喋ってたんだ・・・。じゃなくて!なんであんたは喋れてんだよ!」 

 

魔王「そんなこともわからないのか、魔導士のくせに」 

 

ミィ「もしかして、この補助魔法(バフ)?見たことない魔法だし、いつかけられたのかもわかんないけど・・・」 

 

魔王「さすが幼女だな!それは上級魔物のみが使用できる、持続型範囲魔法でな。一時的な多言語の統一化。まぁ、簡単に言えば翻訳だな」 

 

リン「なんだそれ・・・、便利すぎだろ・・・。聞いたことねーよ?そんな魔法・・・」 

 

魔王「上級魔物しか使用できないと言ったであろう。人間には使えぬ魔法なのだから、知られていなくて当たり前であろう」 

 

ミィ「これがあるから、魔王さんと喋れてるんだねー。いつかけたの?」 

 

魔王「基本的には吾輩の周りにいるものに、自動でかかるようになっているからな。かけたと言うよりは、かかったと言うべきであろうな」 

 

リン「そういえば・・・、喋れる魔物もいるって習ったことがあるな・・・。魔王かは別としても、特別な存在ではあるんだな・・・」 

 

魔王「やっと理解してくれたか。じゃあ食料をだな・・・」 

 

リン「《ファイアボール》!」 

 

魔王「あっつっ!?魔法じゃなくて食料を(ほしいって言ってるんだけど!?)」 

 

リン「《ファイアバーン!」」(被せて) 

 

魔王「あっちっ!?あっつぅ!?丸焼きにでもするつもりか!?」 

 

リン「いいんじゃないか?そしたら食料ゲットだな」 

 

ミィ「リンちゃん!ミィおこだよ!魔王さん嫌がってるでしょ!」 

 

魔王「吾輩の味方をしてくれるのか・・・?」 

 

リン「ちゃ、ちゃんと初級魔法にしといたよ・・・」 

 

ミィ「そーゆー問題じゃないでしょ!《マジックブレイク》!しばらくこれで反省してなさいっ!」 

 

リン「ちょっ!!!ミィのそれ!1時間は魔法使えなくなるんだよ!?」 

 

魔王「容赦ないな・・・」 

 

ミィ「すぐに治してあげるからね?《ヒール》」 

 

魔王「ぬおぉぉおおお!この聖なる力が、吾輩の体を四方八方から突き刺してくるぞぉ!」 

 

リン「ミィ・・・。やっぱりあんた、わかっててやってるだろ・・・?」 

 

ミィ「なんのことー?」 

 

魔王「フハハハハ!吾輩の体を貫く幼女の聖なる力!むしろ気持ちいいではないかぁ!」 

 

リン「どんだけドMなんだよ・・・。はぁ・・・。そんなに痛めつけられたいなら!」 

 

魔王「待て!!!可愛い幼女からの攻めは嬉々として受け入れよう!」 

 

リン「はぁ?」 

 

魔王「だがな!むさい野郎に何が楽しくて、攻撃されねばならんのだ!?」 

 

リン「うっせ!この変態ロリコンが!燃え尽きろ!!!エクスプロージョン!!!」 

 

―――シーン 

魔王「あー・・・。魔法禁止にされてるから・・・」 

 

リン「っ///////」 

 

魔王「そして吾輩はロリコンなどでは断じてない!!!」 

 

ミィ「ロリコンじゃないの?」 

 

魔王「そうだ!!!吾輩は可愛いおなご全員を愛しているのだ!!!フハハハハハハ」 

 

ミィ「ミィかわいい?」 

 

魔王「当たり前ではないか!こんなに可愛い生き物はそうそうお目にかかれんぞ!」 

 

ミィ「えへへー。ちょっとだけなら撫でてもいいよ?」 

 

魔王「本当か!?フハハハハ。なでなで・・・どうだ?」 

 

ミィ「魔王さんのお手ておっきいねぇー」 

 

リン「なんで、イチャイチャ始まってんだよ!おい!」 

 

ミィ「リンちゃんもしてもらう?」 

 

リン「いらんっ!・・・もういい、諦めた。おい、あんた」 

 

魔王「なんだ?吾輩は、このー・・・」 

 

ミィ「ミィって呼んでいいよ?」 

 

魔王「そうか?では。ミィを撫でるので忙しいのだ」 

 

リン「へー。じゃあ飯はいらないんだな?」 

 

魔王「なにっ!?くれるのか!?」 

 

リン「飯食ったら、すぐにここから出て行くってんなら、食わせてやる。オレたちも飯にするつもりだったしな・・・」 

 

魔王「そうであったか。助かる。ミィよ、手間をかけさせすまないが、吾輩の分も作ってくれ」 

 

ミィ「撫でるの止まってるよー?それに、作るのリンちゃんだけどねー」 

 

魔王「なにっ!お前、料理できるのか・・・。なんだ?女子力高い系男子ってやつか?」 

 

ミィ「違うよ?」 

 

魔王「何がだ?」 

 

ミィ「リンちゃんは女子力は高いけど、男の子じゃないよ?」 

 

魔王「ん?どういうことだ?」 

 

ミィ「リンちゃんは女の子だよ?」 

 

リン「おい!!!ミィ!?何言ってんだ!?」 

 

ミィ「村の人っていうか、そもそも人間じゃないし大丈夫でしょ?」 

 

リン「いや・・・そうかもしれないけどさ・・・」 

 

魔王「・・・・・・え?」 

 

ミィ「だいじょぶだいじょぶ!えっとね・・・ちょっと待っててねー♪」 

 

リン「えっ!?あっ!ちょっひっぱらな(いでっ!いたっ!ってか力強すぎー!)」(だんだん小さく) 

 

ミィ「覗いちゃだめだよー」 

 

―――奥の部屋にミィとリンが消える 

魔王「お、おう?」 

 

リン「なにすんだよ!?・・・あっ!ちょっと!・・・だめ!そんな!・・・・・・あんっ!!」 

 

魔王「え・・・な、なにを、やっているのだ・・・?」 

 

ミィ「おまたせしましたー♪じゃじゃーん!」 

 

リン「・・・待って!ほんと無理!こんな・・・」 

 

魔王「誰だこの美少女は!!!しかし、とても聞き覚えのある声・・・」 

 

ミィ「リンちゃんだよ!」 

 

リン「ミィ・・・ほんとこれ恥ずかしすぎるから!オレにはこんなの似合わないんだって!!」 

 

ミィ「えー?そうかなぁ?すっごく可愛いよ?ね?」 

 

魔王「本当に女の子だったのか!!!とてもよく似合っておるぞ!なぜ男の格好なんてしていたのだ!!!もったいなさ過ぎるぞ!!!」 

 

リン「もうやだ・・・死にたい・・・」 

 

ミィ「ね?リンちゃんは女の子だったでしょ?」 

 

魔王「それも超絶美少女であるな!髪も帽子で隠れていてわからなかったが、長かったのだな・・・。ほとんど別人ではないか・・・」 

 

リン「も、もう着替えるからな!」 

 

魔王「あ・・・」 

 

ミィ「にひひー。リンちゃんに惚れちゃった?」 

 

魔王「当たり前だ!吾輩は可愛いおなご全員を愛しているのだからな!」 

 

ミィ「ミィよりリンちゃんの方が良い?」 

 

魔王「どちらも可愛い!ミィもとても可愛らしいぞー。小さくて、目はくりくりしてて、笑顔が太陽の様ではないか!」 

 

ミィ「きゃははー。くすぐったいよぉ」 

 

リン「ふんっ。見た目に釣られるだけのバカだろ・・・」(氷のように冷たく) 

 

魔王「ぐ・・・またその姿に戻ってしまったのか・・・」 

 

リン「可愛い女の子全員を愛してるとか言いながら、オレのこと女だってわかんなかったんだろ」 

 

魔王「そ、それは・・・」 

 

リン「あーなるほどな。オレが可愛くないからってことか。じゃあさっきの可愛いってのは、お世辞ってことになるな」 

 

魔王「いや、ちがっ」 

 

リン「ふんっ。飯にするぞ。ミィ、手伝え」 

 

ミィ「あららー。リンちゃんご機嫌ななめだー」 

 

 

―――なんだかんだで料理完成 

ミィ「いっただっきまーす!」 

 

リン「いただきます」 

 

魔王「い、いただきます・・・。吾輩のだけ少ない・・・」 

 

リン「なにか文句あるのか?貰えるだけありがたいだろ?」 

 

魔王「何もありません。ありがとうございます・・・」 

 

ミィ「ところでさ、魔王さんってホントに魔王なの?」 

 

魔王「ん?まだ気にしておったのか?」 

 

リン「まぁ・・・そりゃ気になるだろ・・・。魔王討伐がオレら冒険者の最終目標なんだしさ。その相手かもしれない奴と、飯食ってるって・・・なぁ?」 

 

魔王「そうか・・・。少し長くなるぞ?良いか?」 

 

ミィ「えー!やだー!ミィ長い話きらーい」 

 

魔王「え?あー・・・そうなの?」 

 

リン「ちょっ!?ミィ!?聞かないのかよっ?」 

 

ミィ「簡単に説明して!!10文字以内で!」 

 

魔王「10文字だと!?えーっと・・・えっと・・・」 

 

リン「いやいや・・・真面目か!」 

 

魔王「わ・が・は・い・は・も・と・ま・お・う・で・す。どうだ!」 

 

ミィ「2文字多い!やり直し!」 

 

魔王「そ・・・そんな・・・」 

 

リン「ちょーーっと!待って!」 

 

ミィ「なにさー?今から面白いとこだよー?」 

 

リン「理不尽な国語の問題、みたいなのはいいから!それより今はもっと気になることあるだろ!?」 

 

ミィ「んー・・・?気になること・・・あっ!」 

 

魔王「お?」 

 

ミィ「食べる順番って、やっぱりちゃんとしなきゃいけないのかな?まず野菜、次におかず、最後にご飯の順って・・・。けど、ミィは好きなものから食べたいよぉ!」 

 

リン「誰も健康に良い食事の順番の話なんかしてないわ!」 

 

ミィ「え?違うの?じゃあ好きなものから食べちゃおー♪」 

 

魔王「卵焼きが好きなのか?では、吾輩のも食べるか?」 

 

ミィ「良いの!?わーい♪もっらうー♪」 

 

リン「ちっがーう!なんでまたイチャついてんだよ!」 

 

魔王「可愛いものを愛でることの何が違うというのだ!」 

 

ミィ「あー、リンちゃん嫉妬ー?それともリンちゃんも卵焼き欲しかったの?」 

 

リン「違う・・・。卵焼きは食べてていいから・・・」 

 

ミィ「やったー♪モグモグ・・・うまぁ・・・」 

 

リン「あんたさ、魔王じゃなくて元魔王なのか?」 

 

魔王「ん?まぁ・・・、そうらしいな」 

 

リン「らしい?なんでそんなあいまいなんだよ?」 

 

魔王「吾輩はどうも・・・、20年近く眠っていたらしくてな・・・」 

 

ミィ「リンちゃんの卵焼きも・・・もーら―――イッっっ!!!?!??」 

 

リン「ミィ?何やってるのかなぁ?」 

 

ミィ「フォーク刺さってるよ!リンちゃん!!ミィの手に!!」 

 

リン「オレは、普通に、卵焼きを食べようとしただけだよ?」 

 

ミィ「ご、ごめんなさい・・・」 

 

魔王「食べ物の恨みは怖いと言うが・・・これか・・・」 

 

リン「で、眠ってたってなんだよ?そもそもあんた何歳だよ?」 

 

魔王「歳か?魔物は年齢はあまり気にせぬのでな・・・。たしか生まれは、Iの216年のはずだ」 

 

ミィ「Iの216って・・・。魔王さん100歳超えてるのぉ!?」 

 

リン「いやいや・・・、どう見ても20代そこそこでしょ・・・」 

 

魔王「魔物の寿命は長いからな。人間の寿命に当てはめれば、そんなものかもしれんな」 

 

ミィ「なんで20年も寝てたの?寝坊したの?あっ!冬眠?」 

 

魔王「それは・・・なんというかだな・・・。嵌められた・・・。と、いうか・・・」 

 

リン「なんだよ?はっきり言えよ」 

 

魔王「(咳払い)魔王の座を奪わんとする者の罠に嵌められてだな、眠らされて。20年・・・らしい」 

 

ミィ「なにされたの?」 

 

魔王「そ、それを聞くか!?」 

 

リン「言えないようなことなんだ?」 

 

魔王「そっ、それは・・・、その・・・だな・・・」 

 

ミィ「あれ?ポケットから何か落ちたよ?なになに・・・『とっても楽しかったですわ♪ずっと楽しい夢を見ててね♡元魔王様♪』だって。なにこれー?」 

 

魔王「なにっ!?!?」 

 

リン「あー・・・。なんとなく想像ついたわ・・・」 

 

ミィ「えっとえっとー・・・。ハニートラップに引っ掛かって、眠らされて人間国に追放。魔王は行方不明により、新魔王誕生・・・ってとこかにゃ?」 

 

魔王「や、やめてー!!!だってしょうがないであろう!?可愛い女の子に誘われたら、それがいくら罠だと分かっていても、断るなんてできる訳がないであろう!!!」 

 

リン「ダメだこいつ・・・早く・・・いや、もう手遅れだ・・・」 

 

ミィ「どうしようもないねー。ケラケラケラ」 

 

魔王「ぐ・・・。吾輩としても、20年も眠らされるとは思ってもいなかった・・・」 

 

ミィ「よしよし・・・」 

 

魔王「・・・慰めてくれるのか?」 

 

ミィ「心の傷に効くかはわかんないけど・・・《キュアー》」 

 

魔王「ぬぁぁああああ!」 

 

リン「ミィ、絶対分かってて遊んでるよね!?恐ろしい子っ!」 

 

ミィ「また間違えちゃった。ごめんねっ?♪」 

 

魔王「あざとい・・・。だが・・・可愛い!くそぉ!可愛いなぁ!こんちきしょー!」 

 

ミィ「えへへー。また頭撫でられたー」 

 

リン「もう勝手にやってなよ・・・。あ、けど魔王じゃないならさ、名前は?」 

 

魔王「ぬ・・・。名前とな・・・。お?なんだったか・・・」 

 

リン「はぁ?あんた自分の名前も覚えてねーのか?」 

 

魔王「魔王になってからは、みなから魔王様などと呼ばれておったからな・・・。名前・・・、んー・・・?」 

 

ミィ「じゃあミィがつっけるー!♪えっとねー・・・ポンタ!どぉ?すっごくいい名前でしょ!?」 

 

リン「ちょっ!勝手に何言ってんだよ。それもポンタ(って、ペットじゃないんだからさ)」 

 

魔王「ポンタか。良い名前だな!吾輩は今日からポンタと名乗ることにしよう!」(被せて) 

 

リン「・・・え?あんたそれでいいの?ポンタだよ?ポ・ン・タ」 

 

魔王「カッコよくて吾輩にぴったりの良い名前であろう!なぁ?」 

 

ミィ「うんうん♪すっごく似合ってるよー♪ミィが名付け親だよー!どやぁ!」 

 

リン「これ絶対、ミィ遊んでるよなぁ・・・。ミィってこんな性格だったのか・・・?」 

 

魔王「よし!では、飯も済んだことだ。約束通り、吾輩は失礼するとしよう」 

 

リン「なぁ、あんた」 

 

魔王「吾輩の名はポンタだぞ!」 

 

リン「ポニョでもホンヤでもカンタでもいいけどさ」 

 

魔王「全然良くないぞ!?」 

 

ミィ「そうだよ!ミィが付けてあげた名前だよ!?」 

 

リン「あーもう、わかったわかった。で、ポンタはさ。これからどうすんだよ?」 

 

魔王「とりあえず、今の魔王のところを目指す。吾輩は人間と魔物が争う世界は望まぬ。共存する世界を作りたかったのだ。そのために少しずつではあるが、良くなってきていたはずだったのだ・・・・・・」 

 

リン「そうだったのか・・・。悪かった、事情も知らずに何度も攻撃して」 

 

魔王「魔物は嫌っていたのではないのか?吾輩の言葉を信じてくれるのか?」 

 

リン「あんたは・・・じゃなかった。ポンタはさ、オレたちを傷つけたりしなかったからな。もう一緒に飯食った仲だろっ」 

 

ミィ「そうだ!!!」 

 

魔王「どうした、ミィ」 

 

ミィ「ポンタ仲間になろうよ!一緒に魔王倒そう!それでいいじゃん!」 

 

リン「何言いだしてんだ!?」 

 

ミィ「だって、リンちゃんもポンタの事、もう嫌いじゃないでしょ?」 

 

リン「いやいや!そうは言ったけどさ!?魔物だぞ!?それに(ずっと二人でやってきたじゃん!)」 

 

ミィ「決定!ポンタもいいでしょー?」(被せて) 

 

魔王「んー・・・そうだな。それも面白そうだ。吾輩は構わないぞ」 

 

リン「構えよ!魔王討伐パーティーだぞ!?魔物と戦うことになるぞ!?」 

 

魔王「ふんっ、魔物同士の争いなどいくらでもあるわ。考え方の違いは力をもって制す。弱肉強食が魔王国のルールだ」 

 

リン「物騒すぎるだろ・・・魔王国・・・」 

 

魔王「吾輩に逆らうものは、元部下でも葬ってくれるわ!フハハハハハ!」 

 

リン「共存どこいったよ!?」 

 

魔王「それはそれ、これはこれだ。魔王の座を取り戻さんことには、ただの夢物語でしかないのだからな。仕方がない」 

 

ミィ「よーし!じゃあ!一緒に魔王を倒すぞー!!!おー!」 

 

魔王「おー!!」 

 

リン「いやいや!オレはまだ認めてねーからなぁ!?元魔王の魔王討伐パーティーなんて!!!どんなイロモノだよぉぉぉおおお!!!」 

 

 

 

―――次回予告 

ミィ「じかいよこくぅー♪」 

 

魔王「ぬおっ!?いきなり景色が変わったぞ!?ミィの魔法か?」 

 

ミィ「それはねー・・・。女の子の、秘密だよっ」 

 

リン「待って待って待って!次回予告って何!?」 

 

魔王「次回予告は次回の予告であろう?読んで字のごとく、ではないか」 

 

リン「そうじゃなくて!!!これ続くの!?」 

 

ミィ「だって、まだ魔王倒してないよ?」 

 

魔王「世界救ってないよ?」(ミィみたいに) 

 

リン「ミィみたいに喋るな!気持ち悪い!」 

 

ミィ「世界統一を目論む魔王軍。魔物の圧倒的な力の前に倒れる人の山。人々は願う。救世主の誕生を。英雄の登場を。 

次回!!『どうも。僕、ポンタです』」(カッコよく・ロリキャラじゃなくておk) 

 

魔王「目覚めし強大な力は、人々の希望か、はたまた絶望の始まりか・・・」(カッコよく) 

 

リン「勝手なことして!!!ほんとどうなっても知らないからな!?!?」 

 

 

 

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