ゲーム『ノーターン人狼』

【ゲーム『ノーターン人狼』】 

♂3人 ♀2人 不問2人 計7人 

~90分 

 

〔登場人物〕 

・GM 不問 

 

 

・ケンヤ ♂ 19歳 正義感が強い。 

 

コウイチ ♂ 17歳 臆病 (ケンヤと兼ね役) 

 

 

・サトシ ♂ 28歳 真面目 

 

イクト ♂ 25歳 カンが良い (サトシと兼ね役) 

 

 

・タケル ♂ 22歳 落ち着いている 

 

レン  ♂ 25歳 異常者 (タケルと兼ね役) 

 

 

・カオル ♀ 26歳 高圧的・高飛車 

 

ミナミ ♀ 32歳 主婦 (カオルと兼ね役) 

 

 

・アカリ  ♀ 16歳 女子高生 

 

ユイ  ♀ 20歳 気弱 悲鳴担当 (アカリと兼ね役) 

 

 

・ユウキ ♂ 13歳 中学生 

 

マキ 不問 (ユウキと兼ね役) 

 

カエデ 不問 (ユウキと兼ね役) 

 

 

※銃声のSEがあると聞いてる側に伝わりやすくなるかもしれません 

 

―――――――――――――――――― 

GM         不問 : 

ケンヤ・コウイチ   ♂  : 

サトシ・イクト    ♂  : 

タケル・レン     ♂  : 

カオル・ミナミ    ♀  : 

アカリ・ユイ     ♀  : 

ユウキ・マキ・カエデ 不問 : 

―――――――――――――――――― 

 

―――ガチャッギギー(扉を開ける音) 

ユウキ「・・・誰かいますかー?」 

 

ケンヤ「ん?子供・・・?君もこのゲームに参加しに来たのかい?」 

 

ユウキ「どうも。まぁ、そうですね、ネットで見て。・・・勝てば大金がもらえるんですよね?」 

 

カオル「ふんっ。あなたみたいなガキが、勝てるわけないでしょう?」 

 

ユウキ「・・・おばさんの方が、すぐに負けちゃいそうですよね」 

 

カオル「おばっ・・・私はまだ26よ!」 

 

ケンヤ「・・・まぁまぁ!二人とも。ケンカしてないで、とりあえず席につきませんか?」 

 

―――ガチャッギギー(扉を開ける音) 

イクト「お?もう人いんのか」 

 

ユイ「そう・・・。みたいですね」 

 

タケル「初めまして。ん?こんな子供まで…?」 

 

ユウキ「なんだよ!またボクをガキとかいうのか!?」 

 

タケル「あ、いや。そんなつもりはないんだ。ごめんな」 

 

イクト「へ~・・・。ははっ!これはちょろそうだな♪」 

 

アカリ「あっ!イクトじゃない!なにあんた、また負けに来たの?」 

 

イクト「うげ・・・。あんときのビッチ女」 

 

アカリ「ビッチじゃないって言ってんでしょ!」 

 

ケンヤ「あれ?君たちは知り合いなのかい?」 

 

アカリ「まぁ、そうね・・・。前にこのゲームの館でこいつに勝って、賞金を手に入れたのよっ♪」 

 

イクト「けっ・・・。今日はその分も取り返してやるから、覚悟しとけよ?」 

 

タケル「・・・つまり、君たちは初めてじゃないんだね?」 

 

GM「ようこそおいでくださいました~。どうぞどうぞ、立ち話もなんでしょう。おかけになってお待ちくださいませ~」 

 

カオル「あら、またあなた?なぁに?また罵られたいわけ?」 

 

GM「これはこれはカオル様。あぁ♪また、楽しませていただけるのですね~♪」 

 

カオル「あぁもう。引っ付くな!汚らわしい!」 

 

 

――客間に集合 

GM「みなさまぁ!本日はようこそお越しくださいました!集合時刻になりました~。皆様遅れることなく集まってくださり、まことに、まことにありがとうございます♪」 

 

ケンヤ「あなたは一体誰なんだ?」 

 

GM「よくぞ聞いてくださいました!わたくし―――」 

 

カオル「司会進行役、グランドマザー。略してGMさん。でしょう?」 

 

GM「わたくしのセリフ!そしてもうそのネタはやめて下さいませ、カオル様!わたくしは!ゲームマスター!略してGM!で、ございます」 

 

ユウキ「ねぇねぇ!ほんとに大金もらえるのっ?」 

 

GM「・・・なんですかこのガキは?どこから紛れたのでしょうかねぇ・・・」 

 

ユウキ「ガキじゃねーよ!参加者だ!」 

 

GM「なんと!……ふむふむ。あぁ!ユウキ様でございましたかぁ」 

 

イクト「おい、GMさんよぉ。とっとと始めてくんねーか?またじゃんけんか?」 

 

GM「やれやれ・・・。どうしてこうもまた、ここに集まる方々は気が早いのでしょうかね・・・」 

 

タケル「GM、この封筒は?」 

 

GM「あぁっと!タケル様!まだダメですよ! 

おほんっ。えー!今回皆様にしていただくゲームは~!」 

 

・・・・・・ 

 

GM「『ノーターン人狼ゲーム』でございます!ぱちぱちー。ほら、皆様ご一緒に。ぱちぱちー」 

 

・・・・・・ 

 

GM「無視でございますか・・・そうですか・・・」 

 

アカリ「人狼ゲームって、村人と人狼に分かれてやるゲームよね?」 

 

イクト「人狼か・・・。で、ノーターンってのはなんだ?」 

 

GM「わたくしこの程度ではめげません!よくぞ聞いてくださいましたっ♪このゲームは通常の人狼で行われる、昼の時間・夜の時間が、一切ございません!」 

 

カオル「それじゃあ、いったいどうやって人狼を倒すのよ?」 

 

ケンヤ「村人が一方的にやられるだけじゃないのか?」 

 

GM「いえいえ~。そうではございません。このゲームでは、村人・人狼それぞれに武器を持っていただき。自由に殺し合いをしていただきます♪」 

 

アカリ「殺し合い!?・・・あぁ!そうよね!ゲームね!ゲーム上で(の殺し合いでしょ!脅かさないでよ)」 

 

GM「ほ・ん・と・う・に!殺し合ってもらいますよ♪もちろん!痛いですし、血も出ますねぇ♪」 

 

ケンヤ「待ってくれ!そんなことは聞いてないぞ!俺はただ、ゲームに勝ったら大金。としか!」 

 

GM「えぇ、そのゲームがこれなのですよ?あ、カオル様!?」 

 

カオル「ふざけるんじゃないわよ!殺し合いなんてごめんよ!私は、お金がほしくて来てるの!死ぬなんて話―――なによこれっ、なんで開かないの!?」 

 

GM「この館にプレーヤーが集まった時点で、ゲーム終了までは、ここには誰も入れませんし、ここからは誰も出られません。それがここでのルールでございます♪」 

 

イクト「・・・じゃあ、俺たちはその殺し合いゲームで生き残んなきゃ・・・、ここから出られねーってことか?」 

 

GM「はい~♪大金と一緒にねぇ♪」 

 

カエデ「いや・・・。いや!殺すのも殺されるのもいや!」 

 

GM「おやおや・・・、困りましたねぇ・・・。では、カエデ様はゲームに参加なされないのですか?おすすめは、しませんよ?」 

 

カエデ「しない・・・。できるわけないでしょう!」 

 

GM「あらあら・・・・・・。みなさまー、少しカエデ様から離れた方が良いかと思われますよー」 

 

――ゴトンッ ブシャーー(突然カエデの首が切れ落ち血が噴き出す) 

 

GM「血が飛び散ると思いますのでー」 

 

ユイ「きゃーーー」 

 

イクト「首が・・・勝手に落ちた・・・」 

 

タケル「死んでる・・・」 

 

GM「ですから、おすすめはしないと申し上げましたのに・・・。はぁ・・・、早速お片付けですかー・・・」 

 

ケンヤ「おい!どういうことだ!説明しろ!」 

 

GM「説明?・・・あぁ!そうでしたね~。この館に入った時点で、皆様はゲームに参加しなくて行けないのですよ。ゲームに不参加をしようとすれば・・・・・・。こうなります♪」 

 

カオル「うそ・・・でしょ・・・?ちょっと!まさか、出ようとした私も!?」 

 

GM「お止めする前でしたので、大丈夫ですよ。まぁ、もう一度扉を無理に開けようとすれば・・・。同じようになってしまわれますかもね~?」 

 

タケル「リタイアもさせない・・・か」 

 

GM「あら~?皆様どうされました~?先ほどまでの元気はいずこに~?」 

 

アカリ「目の前であんなもの見せられて、元気で居れるわけないでしょ!」 

 

GM「そうですよね~~。し・か・し。これでやっとゲームの説明ができそうで、わたくしとしてはありがたいのですよ~」 

 

ケンヤ「ありがたいだと!?人が一人死んだんだぞ!?」 

 

GM「これから何人も死にますよ~?あなたたちの手で♪」 

 

ケンヤ「・・・狂ってる」 

 

GM「はいはーい。それでは、説明を再開させていただきますよ~。ゲームは『ノーターン人狼』!昼夜の区別のない、殺人ゲーム♪勝敗は通常の人狼と同じように、人狼を0にすれば村人側の勝利。人間を人狼と同数以下にすれば人狼側の勝利でございます~」 

 

ユウキ「勝ち方は普通だね。人狼は何人いるのさ?」 

 

GM「まだ説明は途中ですよ~。静かに聞きましょうねぇ?・・・これだからガキは嫌いなんですよね」 

 

ユウキ「あんたさっきからバカにしてんの?」 

 

GM「いえいえ、とんでもございません。大切なお客様でございますので~。ちなみに、人狼はこの中に3人、いらっしゃいます」 

 

アカリ「最低でも3人は殺さなきゃいけないの・・・?」 

 

イクト「3人もいんのか・・・。ほかに役職は?」 

 

GM「いい質問です!スムーズに進みますねぇ♪人間側には占い師とゾンビ化、この2つの役職が、1人ずつ存在します」 

 

ミナミ「占い師っていうのは、誰かを占って、その人が村人か人狼か分かるのよね?」 

 

GM「そうでございます。しかし、このゲームには夜がございません。でーすーのーで、プレーヤーが1人殺されるごとに、1人を占うことができるようになっております」 

 

タケル「誰か死ねば、新しく情報を得られるってことか・・・。もう1つのゾンビ化、ってのはなんだ?聞いたことがないんだが?」 

 

GM「えー、ゾンビ化は。簡単に説明いたしますと、死んでも1度生き返ります。ただしぃ!生き返るタイミングは次の死者が出た時。そして、生き返った場合、賞金獲得条件は村人勝利のまま、村人側の人数は減った状態です。なので、ゾンビなのです」 

 

イクト「ややこしいな・・・。まぁ、なんとなくは理解できた。ルールはそれで終わりか?」 

 

GM「いえ、もう1つ。妖狐もございます。妖狐は、村人側にも人狼側にも属していません。第3勢力です。妖狐は、村人・人狼による勝敗がついたときに生き残っていれば、単独勝利となります」 

 

アカリ「え・・・、妖狐もいるの?」 

 

タケル「それは通常と同じで、占い師が妖狐を見れば、妖狐は死ぬのか?」 

 

GM「えぇ、その通りでございます」 

 

イクト「質問いいか?人狼は人狼同士を認識できるのか?」 

 

GM「おっと!これは失礼!説明を忘れていましたね~。このゲームでは人狼同士もお互いの存在を知りません。ですので、人狼が人狼を殺してしまう。などということも起こりうるわけですね~。まぁ、そうでなければ、人狼が一方的に村人を狩って終わり!となってしまいますからね~」 

 

イクト「そうか・・・」 

 

GM「では!皆様お待ちかね!賞金についてのお話としましょうか~♪」 

 

ユウキ「そうだよ!勝てば大金なんだろ!?」 

 

GM「はいっ♪今回は命を懸けていただくわけですから~♪金額も上がってぇ~♪・・・・・・1億円!♪」 

 

ユウキ「1億!?ゲーム何個買えんのさ!」 

 

GM「いえいえ、そんなものではございませんよ~♪ゲーム中に亡くなられたプレーヤーの人数×(かける)1億円を勝利チームで山分けでございます♪あ、先ほどのカエデ様も人数に入っていますので、既に1億は入ってますね♪」 

 

カオル「じゃあ私が人狼で、全員殺せば、11億円・・・」 

 

タケル「いやそれは。1人殺した時点で狙われるから、出来ないと思うよ・・・?」 

 

カオル「わ、わかってるわよ!可能性の話でしょう!?」 

 

GM「最後に!!!ゲームを円滑に行っていただくために、制限時間を設けさせていただきます。制限時間は30分。制限時間終了で、村は消滅。みんな仲良く死にま~す♪ちなみに、1人死亡ごとに10分間、制限時間は伸びますので頑張って殺し合ってくださ~い♪」 

 

イクト「30分だと・・・。ん?ならさっきの人の分で、スタートは40分になるのか?」 

 

GM「あぁ!そうですね!そうなりますねぇ♪」 

 

アカリ「あのさ・・・、役職はさっきの人の分はどうなるの?」 

 

GM「そういえば、どうしましょうかね・・・」 

 

ケンヤ「あの人が占い師だったり人狼なら、居ないままスタートなのか・・・?」 

 

GM「んー・・・少々お待ちくださいませ。・・・え?あぁ、・・・はい。・・・はい。あーなるほど。かしこまりました」 

 

カオル「・・・ねぇ、あなた誰と喋っているのよ?」 

 

GM「あっいえいえ、お気になさらずにー。カエデ様なのですが、役職を確認する前の死亡でございましたので、役職なしの村人が1名死亡と言う事になりました」 

 

タケル「もともと村人だったってことか?」 

 

GM「それは言えませんが、役職は只今再度シャッフルされ、新たに配られましたので、問題はありません」 

 

イクト「配られたって、封筒はここにあるだろ」 

 

GM「この館では、普通ではありえないことも起きるのです♪さきほど、ご覧になられたでしょう?」 

 

ユウキ「話長いよー。まだ説明終わらないのー?」 

 

GM「では!目の前の封筒を開けてください。中にそれぞれの役職と、相手を殺すための拳銃が入っております♪あ、役職カードは絶対に他人に見せてはダメですよ?見せてしまうと・・・。もう皆様お分かりですよねぇ?フフフ」 

 

・・・・・・ 

 

GM「確認はできましたでしょうか~?そ~れ~で~は~♪(深呼吸)スーハースー、『ノーターン人狼ゲーム』スタートで~す♪」 

 

―――少し沈黙 

 

レン「ん~・・・よく寝た。・・・おー?始まったんだな♪ヒャッハッハ。じゃあ、もう殺しても良いわけだっ!!!」 

 

ユウキ「お兄さんっ!?そうだけどっ、まだ殺しちゃだめだよ。誰が人狼か占い師か、何もわからないんだから!今殺したらお兄さんが人狼だって言ってるようなものだよ!?」 

 

カオル「そうよ!まずは占い師いるんでしょ?誰占ったの?出てきなさいよ」 

 

レン「あ?なんだお前ら?死にたいのか?」 

 

ユイ「お、落ち着きましょう・・・?お願いします・・・」 

 

レン「ケッ・・・。つまんねぇ奴らばっかだな・・・」 

 

ユイ「ひぅっ・・・。ごめんなさい・・・」 

 

ユウキ「お姉さんは何も悪くないじゃん、なんで謝ってんのさ?」 

 

イクト「おい。制限時間あるんだろ?少しでも話進めたほうがいいんじゃないのか?」 

 

ケンヤ「ええ、そうですね。とりあえず今は情報が欲しいところですね。占い師の人は名乗り出てくれませんか?」 

 

・・・・・・ 

 

アカリ「これ普通の人狼じゃないし、変に目立つと殺されかねないじゃん?出てこないんじゃない?」 

 

ケンヤ「そうか・・・。・・・じゃあ、全員銃をテーブルに置くというのはどうだろうか?そうすれば、いきなり殺されることは無くなるだろう?」 

 

タケル「・・・・・・他に手がないか。俺は賛成だな。ただ一つ。まだ俺たちはお互い名前も知らない。順番に名前と、彼の意見に賛成か反対を。もし反対ならば、理由や代案があれば言ってもらいたい」 

 

カオル「そういうあなたのお名前は?」 

 

タケル「あぁ、忘れていたな。タケルだ。まぁ、好きに呼んでくれ」 

 

カオル「面倒だけれど、名前は知らないと話し合いもできないわね。カオルよ。他にいい案があるわけでもないし、賛成でいいわよ」 

 

ユイ「ユイ・・・です。・・・賛成します」 

 

ユウキ「じゃあボクね!ユウキだよ!話進めたいし、みんな賛成なら賛成かな」 

 

ミナミ「ミナミです。私は・・・反対だわ。今、銃を手放すのは危険だと思うの」 

 

サトシ「私はサトシと言います。危険を覚悟で名乗り出てもらうわけですから、これぐらいは当然だと思います。なので、私は賛成です」 

 

コウイチ「ぼくはコウイチと言います。同じく賛成です」 

 

レン「ククッ。勝手にしろよ。その後ちゃんと殺し合わせてくれるんだよなぁ?」 

 

イクト「殺し合いにならないために情報を集めてるんだろ・・・。まぁいい、名前は?」 

 

レン「あ?・・・チッ。・・・レン」 

 

イクト「俺はイクトだ。賛成でいいぜ」 

 

マキ「マキです。私もそれでいいです」 

 

アカリ「アカリよ。流れ的にもそれでいいんじゃない?反対はミナミさんだけでしょ」 

 

ケンヤ「ケンヤです。ミナミさん、他のみんなは賛成してくれたのですが、どうでしょう?」 

 

ミナミ「・・・・・・皆さんがそうおっしゃるなら・・・いいですけど」 

 

ケンヤ「では、銃を置いてください・・・。じゃあ占い師さんお願いします」 

 

イクト「占い師だ」 

 

マキ「私が占い師です」 

 

イクト「あ?」 

 

マキ「えっ?うそ・・・」 

 

ユイ「あれ?占い師は、1人のはずですよね?」 

 

タケル「あぁ・・・、まぁこれは人狼ではよくあることではあるが・・・。とりあえず、誰を占って、結果は何だったのか、教えてもらえますか?」 

 

イクト「俺はケンヤを占って村人だったぜ」 

 

マキ「私はサトシさんで村人でした」 

 

ユイ「えっと・・・。この二人のうち、どちらかが人狼・・・。ってことですか・・・?」 

 

ケンヤ「まぁ、普通に考えればそうなるね。けど占い師を殺せば情報がなくなってしまう(から、むやみには殺せないというね・・・)」 

 

レン「こいつらが人狼なら殺せばいいだろっ!!ヒャッハッ!」(被せて) 

 

イクト「おまっ!なに―――があぁぁぁあああ……」ナイフで首を切られる 

 

レン「ジュルリ。まずはひとり…」 

 

ユイ「きゃぁぁぁぁぁああああ」 

 

カオル「何やってんのよっ!なんでナイフなんて!!」 

 

レン「もうひとっっりっ!」 

 

マキ「ヒッ・・・あがっ・・・」ナイフで首を切られる 

 

レン「ヒャハハハハハ!さいっっこうっっだぜ!!!この肉の感触♪」 

 

ユイ「殺される・・・。いや・・・いや・・・。みんな殺されちゃう!!!」 

 

―――銃声 

 

ケンヤ「はぁ・・・はぁ・・・」 

 

レン「あぁ・・・?・・・かはっ」崩れ落ちる 

 

アカリ「た、助かった・・・?」 

 

サトシ「ケンヤ君っ!」 

 

ケンヤ「僕が・・・殺した・・・?人を・・・?」 

 

ユウキ「あ、え・・・。け、けど!今のはしょうがないって言うか!ボクたちも殺されてたかもしれないし・・・」 

 

カオル「あっ!」銃を取る 

 

サトシ「カオルさん!?何を!?」 

 

カオル「状況は変わったわっ!!3人死んだの!!それに、ケンヤ君が銃を持ったのよ!!!銃を手放すなんて危険じゃない!このレンってのみたいに武器を持ち込んでる人がいるかもしれないでしょ!」 

 

全員「っ!」(全員銃を取る) 

 

タケル「と、とりあえず。状況確認しませんか?」 

 

GM「おや~、一段落。と言ったところでしょうか~」 

 

ケンヤ「お前・・・、何が一段落だ・・・。人が3人も死んだ・・・。俺も1人、殺したんだぞ・・・」 

 

GM「そうですね~。それがどうかなさいましたか?」 

 

ケンヤ「・・・俺は犯罪者に、なったんだぞ・・・。あ・・・そうだよ・・・。これからも人を殺すんだろ・・・?殺さなきゃゲームは終われない。けど・・・、人殺しになって金をもらっても・・・、捕まって終わりじゃないのか?」 

 

GM「あぁ♪その件でしたら。ここでの出来事は法では裁けません。皆様ご覧になられたでしょう?開かない扉♪勝手に死ぬ人♪この館では不思議なことが、普通ではありえないことが起こせます♪つ・ま・り♪殺しや違法な事をどれだけしても、この中でのことはバレることも、罪になることもありません♪・・・よいしょっと(死体を持ち上げる)」 

 

タケル「そんなめちゃくちゃな話を信じろと・・・?」 

 

カオル「そうね・・・、ご都合主義もいいところだわ・・・。けど・・・、私はこのゲームの館に来るのは2度目よ。でも、この館の場所は前回と違ったわ、同じ建物なのに、ね。それに、前回の参加の後に館のあった場所に行ったのよ。けれどね、そこには何もなかったわ。いいえ、その場所が、そもそもなかったのよ・・・」 

 

アカリ「あたしも・・・。二回目の参加だよ。あたしは確かめに行ったりはしてないけど、カオルさんと同じ、前に参加した時と同じ館なのに、場所が違った・・・」 

 

コウイチ「・・・・・・どこにもなくてどこにでもある・・・。呪われた館・・・」 

 

ユウキ「あっ!それ去年から2chで流行ってる都市伝説だよね!え?それがここってこと!?」 

 

GM「ふぅ・・・。3人も運ぶのは大変ですねぇ・・・。みなさま~♪信じていただけましたでしょーかっ?」 

 

アカリ「こんなの・・・。信じるしか、ない・・・じゃない・・・」 

 

GM「ではっ!えー、イクト様っ、マキ様っ、レン様っ。3名の方が亡くなられました。しかし、人狼はまだ生きております・・・。ですので!時間が30分追加されまして。引き続き!存分に殺し合いを、お楽しみくださいませ♪」 

 

 

ケンヤ「あ・・・あぁ・・・」(人を殺したという重さに耐えれなくなって) 

 

サトシ「ケンヤ君、気持ちはわかるよ・・・。けどまだゲーム中なんだ・・・。それに、君がしたことは私たちみんなを守る行為だったんだ。そんなに自分を責めることはないよ」 

 

ケンヤ「僕は・・・僕は・・・。説得など、他に、方法は、あったはず・・・。なのに・・・」 

 

ユウキ「それはどうかなー?あの人、ほんとに危なかったよ。話し合いなんてしてる間にみんな殺されて、あの人の1人勝ち。ってことになってたと思うよ?」 

 

タケル「あぁ。君のおかげで助かったよ、ありがとう」 

 

ケンヤ「それでも・・・、僕は・・・人を殺したんだ・・・」 

 

カオル「そうよ、あなたの手で殺したの。後悔してるの?じゃあ殺してあげましょうか?あなたが人狼かもしれないものね」 

 

アカリ「あんた何言ってんの!?今、目の前でいっぱい人死んだのよ!?」 

 

カオル「これはそういうゲームでしょ?そうしなきゃ勝てないし、賞金も手に入らないの?何もわかってないお子様は黙ってもらえるかしら?」 

 

―――ガタッ 

 

アカリ「っ!?なによいきなり立ち上がって・・・。ってどこ行くのよ?」 

 

ケンヤ「すまない・・・トイレに行こうかと。少し一人にさせてほしい・・・」 

 

 

タケル「カオルさん、言っていることは間違ってないのかもしれないが・・・。ああいうことはあまり好きではないな。気持ちだけで決めるつもりはないが、人狼なのかと疑ってしまうぞ?」 

 

サトシ「実際に人が死んでるんです。ゲームなんて言ってられる状況じゃないでしょう?」 

 

カオル「どいつもこいつもバカばっかりなのね。ふんっ、まぁいいわ。死にたくはないもの。大人しくしてるわよ」 

 

ユウキ「殺し合いはボクもやだけどさー。意見としては、ボクはおばさんに賛成だよ。ゲームを終わらせるには、死ぬか殺すかしかないんだよ?何もしないのは違うと思うなぁ」 

 

カオル「おばさん、ですって?」 

 

ユウキ「あぁ!ごめんなさい!お姉さん!だめだめ、殺さないで!」 

 

サトシ「あの!とりあえずケンヤくんもいないですし、まだ時間にも余裕がありますから・・・。少し自由時間にしませんか?」 

 

アカリ「この状況で自由行動って・・・。あんた人狼なの?」 

 

ユウキ「いろいろありすぎて疲れたよー。ボクも休憩したーい!」 

 

カオル「急にガキっぽくするんじゃないわよ・・・。まぁ、10分ぐらい休憩するのはいいんじゃないかしら?私も疲れたのは確かよ・・・」 

 

タケル「そう、だな。ケンヤ君がいないままに話を進める訳にもいかないからな。休憩にしようか」 

 

ユウキ「GMさーん!お腹減ったー!なんかないのー?」 

 

アカリ「目の前で人死んで・・・、よく食べれるね・・・?」 

 

GM「いろいろございますよー?カレーにお寿司、お菓子や、ケーキまで。少し待っていただければ、なんでもご準備できますが?」 

 

ユウキ「じゃあ!シュークリーム!」 

 

アカリ「ケーキあるの!?チーズケーキ食べたい!」 

 

ユウキ「あれ?食べれないんじゃなかったのー?」 

 

ミナミ「あんまり意地悪は言っちゃだめよ?私もご一緒してもいいかしら?コーヒーと私もチーズケーキをいただけますか?」 

 

GM「かしこまりましたー!こちらにどうぞー。少々お待ちくださいませー♪」 

 

 

―――数分後 

ケンヤ「あれ・・・?皆さんは・・・?」 

 

サトシ「あぁ・・・ケンヤ君か。おかえり。少しは落ち着いたかい?」 

 

ケンヤ「あ、はい・・・。すみません・・・」 

 

サトシ「みんなは今、少し休憩しに行ってるよ」 

 

ケンヤ「そうですか。あのっ、・・・サトシさんは」 

 

サトシ「うん、どうしたの?」 

 

ケンヤ「・・・村人ですか?」 

 

サトシ「あはは。ストレートだね。うん、私は村人だよ」 

 

ケンヤ「僕も、村人です・・・。って・・・、確認のしようがないから意味ないですね・・・。すみません」 

 

サトシ「まぁ、そうだけど。良いんじゃないかな。私はケンヤ君を信じるよ」 

 

ケンヤ「ありがとうございます。僕も信じます・・・」 

 

サトシ「ありがとう。さっきは本当に助かったよ。ケンヤ君がとっさに行動してくれたおかげでみんな助かったんだよ」 

 

ケンヤ「いえ・・・、僕も思わず行動してしまって・・・。殺してしまうなんて・・・」 

 

サトシ「そんなに気に病むことじゃないよ。こんなゲームだし・・・。それに、私なんか、突然すぎて何もできなかったよ。それに比べれば、すごいことだと思うよ?」 

 

ケンヤ「そう・・・ですかね?」 

 

サトシ「そう思うよ。けど、まずはこのゲームを生き残らないとだね」 

 

ケンヤ「はい・・・。そうですね」 

 

サトシ「お互い頑張ろう!村人の勝利を目指して!」 

 

ケンヤ「はい!・・・なんか、すみません」 

 

カオル「楽しそうね。人殺し君」 

 

サトシ「カオルさん!そういう言い方は良くないんじゃないかな!」 

 

ケンヤ「大丈夫です」 

 

サトシ「ほ、本当かい?」 

 

ケンヤ「確かに俺は人を殺しました。けど、このゲームはそうするしか生きる方法はない。そうですよね」 

 

カオル「あらら、何よ強気になっちゃって。さっきは逃げ出したくせに」 

 

ケンヤ「なぜ俺をそんなに挑発するんでしょうか?俺をゲームから降ろさせたい・・・、人狼ってことですかね?」 

 

カオル「人狼同士もわかんないのよ?村人も人狼も、違いはほとんどないわよ。自分が勝つために、他者を蹴落とす。それだけの事でしょ」 

 

サトシ「まぁまぁ、二人とも・・・」 

 

タケル「何かあったのか?」 

 

ユイ「ど、どうしたんですか?」 

 

カオル「なんでもないわよ」 

 

サトシ「タケル君、ユイさん、おかえり。そろそろ、みんなも戻ってくるでしょうし。とりあえず最初の席に座りましょうか・・・」 

 

 

アカリ「まだ揃わないの?」 

 

タケル「ミナミさんとユウキ君がまだ戻ってきてないね」 

 

カオル「逃げたんじゃないの?」 

 

サトシ「あなたはまたそんな風に!」 

 

GM「皆様の行動は自由ですが、集まっていただかなくては話し合いもできませんねぇ・・・」 

 

アカリ「っ!?いつからいたのよ!!」 

 

GM「先ほどから、ずっとここに居ましたよ?」 

 

サトシ「えぇ。あちらの柱の方に居ましたよね」 

 

GM「おやっ!?気づいてくださってたのですね♪流石ですー♪しかし・・・、困りました。どなたかユウキ様とミナミ様(を見かけた方はいらっしゃいませんかー?)」 

 

ユウキ「ボクならここにいるけどー?」(被せて) 

 

ミナミ「あ、すみません。もう皆さん集まっていらっしゃったのですね・・・」 

 

GM「噂をすれば、なんとやら♪ですかねー。お帰りなさいませー」 

 

サトシ「大丈夫ですよ。そんなに待ってませんから。どうぞ、とりあえず最初の席に座ってもらってもいいですか?」 

 

コウイチ「この館広いですよね・・・。ぼくも迷子になるかと思いました・・・」 

 

カオル「遅かったじゃない。2人で何の相談してたのかしら?」 

 

ユウキ「そうだん?何のこと?ボクはトイレに行って戻ろうとしたら、この人と一緒になっただけだよ」 

 

ケンヤ「カオルさん!いい加減にしないか!さっきから場をかき回すようなことばかり!」 

 

カオル「なによ?2人で遅れて戻ってくるなんて、怪しいじゃない。みんな思ってることを言ってるだけでしょう?」 

 

ケンヤ「いや・・・、それは・・・」 

 

カオル「なによ?あぁ・・・、あなたもさっきサトシさんと組んでたわね。そういえば」 

 

アカリ「えっ、なに?どういう事?」 

 

サトシ「いや、それは違うよ。私はケンヤ君と話をしていただけで」 

 

タケル「待て待て・・・。みんな熱くなり過ぎだ。落ち着いて話しをしないと・・・」 

 

アカリ「落ち着いてって言ってもねー・・・」 

 

タケル「時間制限があるんだ、口喧嘩をしていてもしょうがないだろう。ケンヤさんとサトシさんは組んでいるのか?」 

 

ケンヤ「すまない・・・。サトシさんとは、お互いに村人だと信じると約束はした。だから村人の勝利を目指そうと話しただけだ」 

 

カオル「ほら、話してるじゃない」 

 

アカリ「けど、それは組んでるとは言えないよね?人狼でも村人って言っちゃえばいいだけだしさー」 

 

GM「みなさまぁ、お時間の方は大丈夫ですか?時間切れは、全員死亡でございますよ?言い合っている時間はないかと思われますよー?」 

 

ユウキ「遅れたのはごめんなさい!けど、GMさんの言う通りじゃないかなー?今話すのは、残りの人狼の人数と、次誰を殺すか、でしょ?」 

 

サトシ「次・・・ですか・・・。そうだね・・・」 

 

・・・・・・ 

 

GM「ほらほら!皆様!何を暗くなってるのですか?ゲームは楽しまなきゃダメですよー?勝って賞金を得るんでしょう?ほらぁ!レッツ殺し合い♪」 

 

アカリ「うっさい!何が楽しくよ!?死ぬかもしんないんじゃん!楽しめる方がおかしいでしょ!?」 

 

カオル「ぎゃーぎゃーうるさいわね・・・。どうせ、やるしかないんだから。どっちでもいいわよ」 

 

ケンヤ「ま、まずは現状を確認しようか。占い師を名乗った二人が死亡した。おそらく、このどちらかは人狼だったと考えるべきだろう」 

 

ユウキ「まぁー。そーだろねー」 

 

アカリ「占いの結果って・・・覚えてる?すぐあんなことになったから・・・」 

 

タケル「覚えている。イクトさんがケンヤさんを、マキさんがサトシさんを。どちらも村人としていた」 

 

サトシ「はい。私は村人です。そしてケンヤさんも村人です」 

 

ユウキ「占いが二人いるってことは、どっちかは嘘付いてるってことなんだってー!」 

 

アカリ「けどこの人狼って、狼同士も味方が誰かわかってないんでしょ?仲間をシロにする、とかはできないと思うなー」 

 

カオル「けれど、適当でも村指定は言えるわ。村の人間はその占い師を信じる。そして、狼なら味方だと気付けるじゃない」 

 

サトシ「ほんとに私は村人ですよ!」 

 

タケル「サトシさん落ち着いてください。カオルさんの言っていることは、正しいと俺も思います」 

 

ケンヤ「そう考えることもできるのか・・・」 

 

ユウキ「でもさぁ。情報がない以上、仮ではあるけどシロ置きじゃない?」 

 

アカリ「まぁ、そーするしかないもんね」 

 

カオル「あとは、あのレンってやつね・・・」 

 

ユウキ「お兄さんが殺したんでしょ?どう思うの?」 

 

ケンヤ「え・・・俺か・・・?俺は・・・」 

 

ユウキ「殺した相手のことだよ?どう思ったのさ?」 

 

ケンヤ「・・・彼は。武器を持ってきていた・・・。それに殺すことに、迷いも躊躇いもなかった・・・」 

 

サトシ「ちょっといいかな?彼の顔なんだけど・・・」 

 

アカリ「顔?顔がどうしたの?」 

 

サトシ「どこかで見たことあると思っていたんだが・・・。先月脱獄したっていう、連続殺人犯じゃないかな・・・?」 

 

全員「っ!?」 

 

サトシ「髪型や服装で変えてはいたけど・・・。ナイフ一本で簡単に人を殺したんだ。殺しをしたことが無ければ、あんなことはできない・・・はずですよね?」 

 

カオル「ねぇ!GM!どうなってるのよ!!!」 

 

GM「はいはーい?次の犠牲者は決まりましたかー?わたくしとしては・・・。皆様で殺し合っていただくのが、盛り上がり的にも最高なのですがー♪」 

 

カオル「ふざけるんじゃないわよ!!!こんな殺し合いのゲームに、本物の殺人犯を参加させてたの!?」 

 

GM「はて?なんのことでしょう?」 

 

ケンヤ「お前は知っていたのか?レンが脱獄中の連続殺人犯だって」 

 

GM「ななな!なんと!?そうだったのでございますか!?」 

 

ユウキ「ふざけてると、打つよ・・・?」 

 

GM「あぁぁぁああ!!!撃たないでくださいませ!!存じ上げておりませんでした。皆様のご参加もそうでしょう?このゲームへのご参加は誰にでもできます。プレーヤーの皆様の身辺調査などしておりません」 

 

サトシ「偶然・・・まぎれてた・・・?」 

 

GM「おそらくそうではないかと思いますよ?まぁ!良いではないですか♪皆様は無事生き残れたのですから!むしろ!そのような凶悪犯を倒したとは!素晴らしい!!!」 

 

タケル「ってことは。レンが殺す理由は、人狼だからってわけではなさそうだな・・・」 

 

ユウキ「そもそも、2人の内どっちかは、仲間のはずだしね・・・」 

 

カオル「プレーヤーは9人」 

 

アカリ「残る人狼は・・・2人・・・」 

 

ケンヤ「占い師は消えた・・・。絶望的すぎる・・・な・・・」 

 

・・・・・・ 

GM「みなさまぁ!!!制限時間が5分を切ってしまいましたよ!!みんな仲良く破滅ですか?ノンノンノン!それは面白くない!」 

 

サトシ「GMさん・・・。ヒントでもくれるのでしょうか?」 

 

GM「いいえー・・・。それはできませんねー。村人・人狼、どちらかに肩入れしてしまっては、公平性に欠けてしまいますので・・・。なので!ここは通常の人狼ゲームに則り、吊り投票!というのはいかがでしょう?」 

 

アカリ「投票で・・・殺す人を決めるってこと・・・?」 

 

GM「もちろん!どうするかはプレーヤーの皆様次第でございますよ♪」 

 

ユウキ「ボクはこのまま死ぬなんてやだよ。けど、下手に動いたら自分も殺される。みんなそうだよね?なら、投票で良いんじゃないかな?」 

 

ケンヤ「しかし・・・、殺す人を決めるって言うのは・・・」 

 

ユウキ「じゃあ、お兄さんが死んでくれる?仮シロでも、死んでくれれば時間は伸びるよ」 

 

サトシ「時間は伸びるかもしれない。けど、村人を減らすのは人狼側に有利になるだけじゃないかな?」 

 

GM「んー・・・決まりませんかぁ?では。こちら、紙とペンでございます。無記名で構いませんよ。投票したい方は、殺すべきだと思う相手の名前をお書きになって、わたくしにお渡しくださいませ♪」 

 

アカリ「・・・どうするの?」 

 

ユウキ「GMさん!はい。・・・ボクは書いたよ。みんなは書かないの?なら殺し合ってみる?誰が生き残れるかな?」 

 

カオル「坊や、調子に乗るのもいい加減にしなさいよ」 

 

タケル「時間がないんだ・・・。書いたぞ」 

 

サトシ「・・・私も。書きました」 

 

カオル「ちょ、ちょっと!?」 

 

 

GM「えー。カオル様以外の投票が終わりましたが。カオル様はいかがなさいますか?残り時間は2分でございます」 

 

カオル「か、書くわよ!?書けばいいんでしょ!」 

 

GM「では!開票と行きましょう!ふむふむ・・・ほほぉ・・・。投票結果は!カオル様5票、ユウキ様1票、白紙投票3票でございます」 

 

カオル「ちょっと!!!待ちなさいよ!!ふざけんじゃないわよ!?」銃を構える 

 

ユイ「ひっ!?」 

 

ケンヤ「や、やめろ!撃ち合う気か!?」 

 

カオル「はいそうですかって、殺されてやるわけないでしょ!?少しでも動いたら撃つわよ!!!」 

 

サトシ「ど、どうすれば・・・」 

 

カオル「投票なんて馬鹿じゃない!?選ばれたからって、誰が殺されるもんですか!?銃だって持ってる!!!私を殺そうとすれば先に殺すわ!!!」 

 

ユウキ「やっぱりこーなったww」 

 

カオル「撃つわよ!?」 

 

ユウキ「いいよ?けど、きっとボクを撃ったら。他の人に打たれるよ?さっきみたいに、ケンヤさんとかに」 

 

ケンヤ「えっ!?」 

 

カオル「・・・・・・」 

 

GM「はぁ・・・。残り40秒・・・」 

 

タケル「どうしたらいい・・・?このままだと、全滅にしかならない・・・」 

 

アカリ「選ばれたんでしょ!!!大人しく殺されなさいよ!!!」 

 

カオル「うるさいわよ!小娘!!あなたも最初からむかつくのよ!!!」 

 

――――銃声 

カオル「がはっ・・・」 

 

ケンヤ「え・・・?だ、誰が撃った!?」 

 

GM「まったく・・・。これはサービスですよぉ?もう次はありませんからねー?」 

 

タケル「さ、サービス。だと?」 

 

GM「えぇ。このまま、時間切れ。それも1つの終わり方ではありますが・・・。それではとってもつまらないじゃないですか!!!せっかくの!せっっっかくの!!!殺し合いなのですよ?」 

 

アカリ「あっ!!!それで!?カオルさんは!?人狼だったの!?」 

 

サトシ「時計は、止まっていません。10分増えただけですね・・・」 

 

ユウキ「人狼かはわからないけど、ゲームはまだ続くってことだね・・・」 

 

GM「はいっ!えー、カオル様が亡くなられました。しかし、人狼はまだ生きております・・・。ですので!時間が10分追加されまして。引き続き!存分に殺し合いを、お楽しみくださいませ♪・・・わたくしはカオル様を片付けてきますね」 

 

タケル「・・・おかしい。なんでGMはカオルさんを殺した・・・?」(つぶやくように) 

 

ユウキ「ん?何か言った?」 

 

タケル「いや・・・。それよりも時間だ。増えたとはいえ10分だ・・・」 

 

ユイ「いやっ!いやっ!もういやっ!!!私は殺し合いなんてしたくない!!!殺したくない!!!死にたくない!!!」 

 

サトシ「ユイさんっ!ちょっと!!!」 

 

ミナミ「あっちはたしか、部屋がいくつかあったわね・・・。まぁ、気持ちはわかるわ・・・。私も、逃げ出したいもの・・・」 

 

ユウキ「あーあ・・・。けど、あれ。早く連れ戻さないとリタイアで死んじゃうんじゃないかなー?最初の人みたいに」 

 

ケンヤ「ちょっと俺話に行ってきます!!!」 

 

サトシ「ケンヤくんっ!?任せて大丈夫かい?」 

 

ケンヤ「なんとか話してみます!」 

 

 

 

GM「よいしょ・・・よいしょ・・・。こんな形でカオル様とお別れになってしまうとは・・・。なじられていたのが懐かしく感じますね・・・」 

 

GM「・・・おや?ふふふ・・・。これは面白くなりそうですねぇ・・・」 

 

 

 

アカリ「時間ないのに・・・ホントどうすんのよ!?」 

 

タケル「ケンヤ君が何とかしてくれる・・・と信じるしかない・・・」 

 

ユウキ「そんな甘い考えでいいの?次、時間無くなったら死んでくれるの?」 

 

タケル「いや・・・、それはできないが・・・」 

 

ユウキ「じゃあ、あの人に死んでもらおうよー。それでいいじゃん」 

 

ミナミ「私は、そういうのは良くないと思うわ。ユイさんだって、ここまで一緒に頑張ってきたんじゃない。少し怖くなってしまっただけよ」 

 

サトシ「そうだね。ケンヤ君が話をしに行ってくれたんだ、今は待ちましょう」 

 

 

ケンヤ「うぁぁぁあああ」 

 

ユイ「きゃぁぁぁああ」 

 

 

タケル「なんだっ!?」 

 

ミナミ「二人の悲鳴よね・・・?」 

 

サトシ「ケンヤ君!」 

 

アカリ「あっ、ちょっとっ!?」 

 

ユウキ「殺し合いでもしてるのかなっ?」 

 

 

 

レン「クックック・・・アッハッハ・・・アヒャッヒャッヒャ」 

 

サトシ「君はっ・・・!」 

 

レン「よぉ?遅かったなぁ・・・」 

 

サトシ「ケンヤ・・・くんっ・・・」 

 

レン「おい偽善者、呼ばれてるぜー?この俺を殺しやがって・・・。チョー痛かったんだぜ?って、もう聞いてねぇか。ヒャハハハハ」 

 

ミナミ「うそ・・・なんで・・・。なんでまだ生きてるの・・・?」 

 

レン「あ゛ぁ?俺は死なねーよ。ハハッ、お前らもすぐにこうしてやるよ」 

 

ユウキ「やばいよ!逃げなきゃ!」 

 

レン「おいおい・・・なんで逃げてんだよぉぉおお!!」銃乱発 

 

コウイチ「うわぁぁああ!!撃ってきたぁ・・・」 

 

レン「あ・・・?チッ・・・弾切れかよ・・・全然当たんねーし・・・。まぁいいか。やっぱ殺すなら、ナイフに限るよなぁ!」 

 

 

 

レン「おーい?どこに隠れたぁー?かくれんぼのつもりかー?あ゛ぁん?」 

 

ユウキ「通り過ぎたみたいだよ・・・」 

 

コウイチ「はぁ・・・よかった・・・」 

 

サトシ「彼が生きている以上、安心はできませんよ」 

 

コウイチ「そ、そうだね・・・」 

 

アカリ「確かにあいつは死んでた。制限時間が増えたのがその証拠でしょ?ってことは・・・」 

 

タケル「ゾンビ化・・・、カオルさんが亡くなったことで生き返ったってことか・・・」 

 

ミナミ「じゃあ、彼は村人側なの・・・?」 

 

ユウキ「そうかもしれないけどっ。ほっといたら、村人も人狼も関係なく殺されちゃうよ?」 

 

サトシ「そうだね。ユウキくんの言う通りだね。彼をこのまま放っておくのは危ない・・・」 

 

アカリ「一時休戦。みんなで殺人鬼をどうにかするのよ」 

 

タケル「あぁ・・・。少し考えがある。協力してくれるか?」 

 

 

タケル「という策なんだが・・・、もちろん囮役は俺がする。ただもう一人来てほしいんだが、・・・。そうだな、ユウキくん。どうだろうか?」 

 

ユウキ「えっ、なんでボクなのさ。ボクまだ中学生だよっ?」 

 

サトシ「それなら、囮役は私が・・・」 

 

タケル「いや、サトシさんにはできれば射撃側に回ってもらいたいんだ。囮役があいつに殺されるかどうかは、射撃側にかかっている。なら、最年長のあなたにはそれをお願いしたい」 

 

サトシ「しかし、私は銃なんて撃ったこと・・・」 

 

タケル「それはみんな同じですよ。これは消去法なんです・・・。もちろん強制はできないですが。どうだい?ユウキ君」 

 

ユウキ「・・・いいよ。そのかわり、ちゃんと守ってよ?」 

 

タケル「あぁ。助かるよ」 

 

コウイチ「遠くにいるみたいです。今なら移動できますよ」 

 

タケル「じゃあ・・・作戦通りに・・・」 

 

ミナミ「はい」 

 

 

 

タケル「無茶を言って悪かったな」 

 

ユウキ「ほんとだよ・・・。それで?ボクなにか用があるんだよね?」 

 

タケル「ははっ、バレてたのか。キミ本当に中学生かい?」 

 

ユウキ「別に信じなくてもいいよ。おかしいことぐらい自覚してるから」 

 

タケル「いやいや、褒めてるんだよ。・・・じゃあ本題だ。GMをどう思う?」 

 

ユウキ「え・・・?」 

 

タケル「ケンヤ君とユイさんが亡くなった。しかし、今回は出てこなかった」 

 

ユウキ「それは・・・、二人の処理をしているんじゃないかな?」 

 

タケル「じゃあ、なぜ運営側であるGMが、違反をしたわけでもないプレーヤーを、カオルさんを殺した?」 

 

ユウキ「・・・お兄さん、もしかして」 

 

 

 

サトシ「大丈夫かい?」 

 

アカリ「あんたこそ、震えてるわよ?」 

 

サトシ「これは・・・あはは。面目ない」 

 

ミナミ「大丈夫です。一緒に頑張りましょう」 

 

コウイチ「そうですよっ」 

 

サトシ「あぁ・・・!私たちでタケル君とユウキ君を救うんだ」 

 

アカリ「でもあと何人、人狼は居るんだろうね・・・。それに妖狐も・・・」 

 

コウイチ「今分かってるのは、あいつがゾンビ化ってことと、最初の二人が人狼と占い師・・・だけですかね」 

 

アカリ「その人狼と占い師っていうのも確定ではないじゃない?」 

 

ミナミ「え?そうなんですか?」 

 

サトシ「んー・・・でも人狼以外に誰が嘘を吐くんですか?」 

 

アカリ「妖狐もいるでしょ。そもそも、情報も何もないこの状態で妖狐がまだ生きてたらどうしたら良いのよ・・・」 

 

コウイチ「そう・・・ですね・・・。でもとりあえず今は目の前の脅威、じゃないですか?」 

 

ミナミ「そろそろですね・・・」 

 

 

 

レン「てめぇら!何のつもりだ!?逃げるばっかでよぉ!おちょくってんのかぁ?あ゛ぁ?」 

 

ユウキ「おちょくってないよー。ボクはただ、平和的に話し合いで解決しよーって言ってるだけでー」 

 

レン「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」 

 

ユウキ「やっぱダメじゃんかー!」 

 

アカリ「今よっ!」 

 

レン「あ?」 

 

―――銃声 数発の弾がレンを打ち抜く 

レン「ぐふっがっ・・・あ・・・」 

 

ミナミ「やったっ」 

 

サトシ「ミナミさんっ出ちゃダメだ!」 

 

レン「て、めぇ・・・クソがっ!」ナイフを投げる 

 

ミナミ「えっ・・・あっ・・・ぁ・・・」ナイフが首に刺さる 

 

コウイチ「ミナミさんっ!!!」 

 

ミナミ「・・・・・・」 

 

アカリ「ダメ・・・血が止まらない・・・」 

 

コウイチ「ミナミさんっ!・・・ミナミさんっ!」 

 

ユウキ「・・・ちょっとまって・・・それって・・・」 

 

サトシ「傷が深いですね・・・。これでは、もう私たちにはどうすることもできない・・・」 

 

GM「はいはーい。いやぁ、みなさんお見事でしたねぇ♪まさかまさか!レン様がゾンビ化持ちで復活してくるとはっ!いやぁ♪とてもおもし・・・んっんん(咳払い)怖かったですねぇ」 

 

タケル「おい!GM!いままでどこにいたっ!ゲームはどうなったんだ?」 

 

GM「先ほど亡くなられたケンヤ様・ユイ様の処理をしておりました。それに、皆様お忙しいようでしたので・・・」 

 

タケル「あの時点でゲームが終わっていたらどうするつもりだったんだ?」 

 

GM「タケル様ならお分かりだったのでしょう?ゲームが続行されているからこそ、レン様を止めなければいけなかったと」 

 

タケル「・・・あぁ」 

 

GM「えーでは、レン様はゾンビのため死亡判定はありません。そして、ミナミ様は・・・まだ辛うじて生きておられますが、これは死ぬのも時間の問題ですねぇ?ひと思いに殺して差し上げるのが優しさ、と言うものではありませんかー?」 

 

コウイチ「そんなっ、この館の力なら助けれるでしょっ?」 

 

GM「もちろん!この館の中ではどんな奇跡でも起こせます♪しーかーし。今はゲーム中でございます♪プレーヤーを助けることは行えません。そもそも、助けるメリットがございませんゆえ。これは、殺し合いのゲームですよぉ?目の前に殺せる相手がいるのであれば!殺すのは、必然!それとも、ゲームを棄権なされますかぁ?」 

 

―――銃声 

コウイチ「サトシさんっ!?」 

 

サトシ「コウイチくん、彼女をこれ以上苦しめては可哀想だ。GMさんが言っていることが正しいよ。私たちはこの狂ったゲームに参加してしまったんだ。辛いけれど、彼女だけ助かる、なんてことはできないんだよ」 

 

ユウキ「ひゅ~♪大人だねぇー」 

 

アカリ「キミは子供っぽく無さ過ぎるけどね」 

 

GM「えー!ケンヤ様・ユイ様・ミナミ様が亡くなりました。しかし、人狼はまだ生きております・・・。ですので!時間が30分追加されまして。引き続き!存分に殺し合いを、お楽しみくださいませ♪」 

 

サトシ「GMさん。人狼はあと何人いるのですか?あと何人殺せば・・・ゲームは終わるのでしょうか・・・?」 

 

GM「それはお答えできませんよ?」 

 

タケル「・・・・・・くそっ」 

 

コウイチ「あの・・・時間も少し余裕が出来ましたし・・・、もう一度休憩とりませんか?さっきの恐怖で、もう足ガクガクで・・・」 

 

サトシ「そう・・・だね。そうしようか」 

 

アカリ「一人で行動して殺されても知らないわよ?」 

 

コウイチ「もうっ!怖い事言わないでくださいよっ!」 

 

ユウキ「あいつがまた生き返ったりして・・・」 

 

コウイチ「やめてよっ!!!」 

 

 

 

タケル「ユウキ・・・ちょっといいか」 

 

ユウキ「来ると思った。・・・やるんだね?」 

 

タケル「あぁ。でも殺さない。もう俺はこのゲームを終わりにしたいんだ」 

 

ユウキ「は?何言ってるの?」 

 

タケル「あいつがこのゲームを仕切ってるなら、止めれるかもしれない。俺はもう、誰も死なせたくないんだ」 

 

ユウキ「・・・ふーん。あっそ。いいんじゃない?」 

 

タケル「協力してくれるのか?」 

 

ユウキ「いいよ」 

 

タケル「ありがとう・・・」 

 

ユウキ「・・・どうせ上手くいくわけないし」 

 

 

 

タケル「みんな集まってくれてありがとう」 

 

アカリ「なによ・・・まだ5分も経ってないわよ・・・」 

 

コウイチ「タケルさん。どうしたんですか?」 

 

サトシ「なにか分かったのかな?」 

 

タケル「まぁ・・・少し気になることは」 

 

ユウキ「GMさーん。ジーエームさーん」 

 

GM「はいはーい。お呼びでしょうかユウキ様。おや?皆様お揃いでしたか」 

 

ユウキ「うん。あのね、確認したいんだけど」 

 

GM「はいはい。なんでございましょうか?」 

 

ユウキ「このゲームの禁止事項って、役職カードの開示、だけでいいんだよね?」 

 

GM「そうですねぇ。その他の禁止事項は特に設けておりませんね。暴力行為禁止をしてしまいますと、殺し合いそのものが出来ませんからねぇ・・・」 

 

タケル「そうか。分かった、ありがとう。じゃあ手を上げてそこから動くな」 

 

GM「っ!?なんと・・・タケル様?なんの御冗談でしょうか・・・これは・・・」 

 

アカリ「あんたっ!なにやってんのっ!?」 

 

タケル「巧妙に隠れてる妖狐に銃を向けているだけだが?なぁ、プレーヤー妖狐さん」 

 

GM「わ、わたくしはGMで・・・」 

 

タケル「そうか。なら撃ってみれば答えがわかるよな?」 

 

GM「・・・・・・」 

 

タケル「3・・・」 

 

ユウキ「2・・・」 

 

タケル「1・・・」 

 

GM「わ、わかりましたっ!わたくしはプレーヤーでございますっ!ですが!なぜわかったのですかっ!」 

 

タケル「お前の言動には不自然な点がいくつもあった。大きなミスは、カオルさんを殺したことだろうな」 

 

GM「・・・はぁ。そうですよねぇ・・・。あれは、そうなることも想定できたはずなのに、対応できなかったわたくしのミスですね・・・」 

 

タケル「他にも、プレーヤーの数をはぐらかし、自分の存在を隠したな。それに、進行を伝えるとき、お前は必ず一度モニターの時間を確認していたな」 

 

サトシ「え・・・。つまり、彼はGMではなく私たちと同じ、一人のプレーヤーだったってことかい?」 

 

ユウキ「さぁ?ねぇ、どうなの?」 

 

GM「はぁ・・・。良いでしょう!見事わたくしの正体に気付いた皆様に!全てをお教えしましょう♪このゲームを企画立案したのは、他ならぬ!このわたくしでございます♪」 

 

アカリ「そうよ・・・。私は前のゲームでもこいつがGMをしているのを見たわ」 

 

GM「えぇ。わたくしはこのゲームの館に雇われてGMをしていたのです。そして!その契約のラストが、今日!このゲームだったのですよ!」 

 

タケル「なるほどな・・・。お前はこのゲームの参加者として勝つことで大金を得て、この館から出ようとしたのか」 

 

GM「まぁ・・・その計画も、全て失敗に終わってしまいましたがね・・・」 

 

タケル「最後に命令だ。このゲームを今すぐ終わらせろ。お前の目的は失敗した。これ以上このゲームを続ける意味はないはずだろう」 

 

アカリ「ちょっと何勝手に終わらせようとしてるのよ!賞金はどうなるのよっ!」 

 

タケル「キミはお金のために自分の命をまだ賭けるつもりか!?」 

 

GM「・・・ふっ・・・ははは・・・あははははは。何を言い出すかと思えば・・・、さぞ幸せな頭をしているのでしょうねぇ!」 

 

ユウキ「だよねぇ。ボクもそー思ってたよー」 

 

タケル「なっ・・・」 

 

GM「わたくしはこのゲームが始まったときに、ただのプレーヤーとなりました。この館とは何のつながりもございません♪わたくしにできたのは、スタート前にわたくしの役職を妖狐にすることだけです。つまり!最後まで殺し合うしか、このゲームの終わりはないのですよっ!・・・わたくしが知っているのは以上です。さぁ、殺してくださいませ」 

 

タケル「くっ・・・」 

 

―――銃声 

 

・・・・・・ 

 

コウイチ「時間・・・増えましたね・・・」 

 

サトシ「タケル君。キミはよく頑張ったよ。私たちにはGMがプレーヤーだとは見抜けなかった。すごいよ」 

 

タケル「・・・くそっ、くそっ」 

 

ユウキ「ほらねー。ゲームを止めるなんて無理だよ」 

 

アカリ「そうよ。何勝手な事してんのよっ!もしゲームが終わってたら、あんたが賞金くれたの!?」 

 

タケル「・・・・・・」 

 

アカリ「あんたのしたことはね、ただのエゴよ」 

 

サトシ「アカリさん、何もそこまで言わなくても・・・」 

 

コウイチ「そうですよ。タケルさんはぼくたちのことを思ってしてくれたわけですし・・・」 

 

タケル「みんな!聞いてくれ!・・・すまない!ゲームが終わらないのは俺のせいだ。・・・俺が、人狼なんだ」 

 

アカリ「はぁ!?ちょ、あんた何言って・・・」 

 

コウイチ「タケルさんがっ・・・人狼・・・?」 

 

タケル「残った人狼はたぶん俺一人だ。だから・・・俺が死ねばゲームは終わる。そうすれば、みんな生き残れるんだ。俺は、もう誰かが死ぬのを見たくないんだ。ただのエゴで良い。これで・・・」 

 

―――銃声 

ユウキ「あーあ・・・。ちょっとは凄い人かなって思ったけど、自殺しちゃった・・・」 

 

コウイチ「タケルさんが・・・人狼が・・・死んだ?じゃあゲームは!?」 

 

サトシ「あ、そうかっ!・・・え・・・」 

 

コウイチ「うそだ・・・。時間が・・・増えてる・・・」 

 

ユウキ「動かないでよ?・・・おねーさん」銃を構える 

 

アカリ「っ!?」 

 

ユウキ「やっぱり、人狼はまだ2人居たんだね」 

 

サトシ「ユウキ君っ、それにアカリちゃん!?」 

 

ユウキ「おにーさんが死ぬとき、おねーさんだけ冷静だったよね?まだゲームが終わらないことを知ってるみたいにさ・・・」 

 

アカリ「な、何のこと・・・?」 

 

ユウキ「おにーさんは、ここに居る全員が村人だって思ってたみたいだけど。ゲームは終わらなかった。それは、この中にまだ人狼が居るから。そして・・・」 

 

サトシ「そうかっ。人狼は、自分がいるからゲームが終わらないことを知っているんだね」 

 

ユウキ「あー!それ、ボクのセリフー!」 

 

アカリ「・・・キミ、ホント凄いね。・・・ほんと、ここは化け物しか居ないなぁ。そうよ。あたしが最後の人狼のはずよ」 

 

ユウキ「うん。じゃあね、綺麗なおねーさん」 

 

―――銃声 

アカリ「最後だけかわいこぶってんじゃ・・・ゲフッ・・・」 

 

―――アラーム音が鳴り響く 

ユウキ「わっ!?なにこれ!?」 

 

コウイチ「ゲームが終わった合図・・・ですかね?」 

 

サトシ「あっ!画面が!」 

 

ユウキ「『この村から人狼は居なくなりました。村人の勝利です』」 

 

コウイチ「『死亡者11人。よって獲得賞金は、11億円』っ!?11億円っ!?」 

 

ユウキ「『以上を持ちまして、本日のゲームを終了とします。プレーヤーの皆様は速やかに館から出てください』だってさ。賞金の受け渡しは外であるみたいだよ」 

 

コウイチ「ほんとに終わった、ん・・・ですよね?」 

 

サトシ「あぁ・・・。そうだね。終わったんだ・・・」 

 

ユウキ「んー!まぁまぁ楽しかったかなぁー?」 

 

コウイチ「・・・今日のこともこのお金の事も、誰にも話せないですね」 

 

ユウキ「あはは。話しても信じてもらえないし、お金狙われるだけだよー?」 

 

サトシ「墓まで持って行くのが賢明だろうね・・・」 

 

ユウキ「じゃあねー、死んじゃったみんなー。ばいばーい!」 

 

―――扉が閉まる 

 

 

―――ノイズ 

タケル「いってて・・・ん?ここは・・・?」 

 

GM「おやおや!やっとお目覚めですかぁ?」 

 

タケル「GM!!お前!何しやがった!」 

 

GM「あーあー。落ち着いてくださいませ。ここはゲームの館の秘密の部屋でございます。あなた様は、生き返ったのですよ。館の力で、ね」 

 

タケル「生き返った・・・?」 

 

GM「あ、そうだ。どうです?あなたが死んでからの映像、見ますか?・・・ぷっ、くくく」 

 

タケル「なっ・・・うそだろ・・・」 

 

GM「いやぁ!見事な無駄死にっぷりですねぇ♪わたくし、笑いすぎて本当にお腹がよじりきれるかと思いましたよぉ!」 

 

タケル「・・・・・・」 

 

GM「おやぁ?どうされましたー?・・・はぁ。全くもって腹立たしいですね。わたくしの計画はこんなやつに潰されたのですか・・・。っ!?ま、マスター!い、いえ!すみませんでした!・・・はい・・・はい。そうです・・・全てわたくしのミスでございます・・・はい・・・」 

 

タケル「おい・・・なにを?」 

 

GM「はい・・・はい。そ、そんな・・・。はいっ!すみませんっ!かしこまりました」 

 

タケル「お前、何を言って・・・」 

 

GM「タケル様、次のゲームのGMはあなたが担当となりました」 

 

タケル「はぁ!?」 

 

GM「あなたのせいで、わたくしが築いてきたこの数年が全て水の泡。GMどころか、雑用に降格ですよ!まったく!」 

 

タケル「いや・・・いきなり言われても訳が・・・」 

 

GM「まぁ、そう言う事ですから。せいぜい、頑張ってくださいやがれませ」 

 

 

 

 

 

はむすたーが本体です(`・ω・´)

るいんの台本や音声作品などを置いています。

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