変態が魔王で幼女は強い‐第5話『ポンタの休日』

【変態が魔王で幼女は強い‐第5話『ポンタの休日』】 

♂3人 ♀0人 計3人 

~15分 

 

ポンタ ♂ 見た目16歳ぐらいの爽やかイケメン 

職業:元魔王、現・剣士 

変態、女好き、ロリコン(?)、ドM、バカ。 

パッと見イケメンの残念魔王。 

 

ライル ♂ 20歳 

職業;暗黒騎士 

元気よく、明るく、誰とでもすぐ仲良くなれる。 

 

 

実況 ♂ 

闘技場の実況者。 

娘が最近生まれたらしい・・・。 

 

 

――――――――――― 

ポンタ ♂ : 

ライル ♂ : 

実況  ♂ : 

――――――――――― 

 

―――前回のあらすじ 

ライル「前回のあらすじだぜっ!」 

 

ポンタ「旅の準備を整え武器も手に入れた元魔王は、一日の休みをもらい人間界を見学することになった」 

 

ライル「待て待て!いろいろ飛んでるって!」 

 

ポンタ「ん?なにが?」 

 

ライル「いやいや、もっと面白い事があったんだろ!?」 

 

ポンタ「面白い事?」 

 

ライル「そーだよ。魔剣と出会ってバトったって聞いてるぜ?」 

 

ポンタ「いや・・・まぁ・・・。絡まれたけど・・・」 

 

ライル「いやいや!?魔剣だぞ!?瞬間移動の能力まで持ってるとかスゲーじゃん!暗黒騎士である俺が持ったら最強じゃね!?」 

 

ポンタ「えー・・・だって、うるさいだけだし。それに、重いよ?」 

 

ライル「お前は、漢のロマンが分かってねぇなぁ!」 

 

ポンタ「そんなこと言われてもなぁ・・・」 

 

実況「本編スタートですよ!」 

 

 

 

―――ここから本編 

ポンタ「準備が早く終わったから一日暇になったらしいけど・・・。さて何するか・・・」 

 

ポンタ「ミィとリンは女の子の買い物するって言って、銅貨10枚だけ置いて行っちゃたしなー・・・」 

 

ポンタ「まぁ!せっかくの機会だ。人間界の様子をもっと良く観察してみるか」 

 

 

ポンタ「ぐぬぬ・・・。この銅貨・・・どうやら一番安い通貨らしく・・・。昼飯を食べようにも、おにぎり一つしか買えない・・・だと・・・」 

 

ポンタ「いい匂い・・・。この街の特産品らしい〔羊肉の串焼き〕・・・。銀貨1枚・・・。おにぎりの10倍の値段・・・。リン殿ー!ひどすぎるではないかー!」 

 

ライル「んぁ?・・・おい、なにやってんだ?」 

 

ポンタ「ん?・・・あっ、ライル殿!」 

 

ライル「よぉ、ポンタ。おいおい、なんだー?そのよだれは」 

 

ポンタ「っ!・・・これは・・・その・・・」 

 

ライル「なんだ?串焼き食いたいのか?」 

 

ポンタ「そうなのだが・・・。あいにく手持ちがなくて・・・」 

 

ライル「ははっ。そんなことか、おっちゃん。それ2つ、あとこれで適当に盛ってくれよ」 

 

ポンタ「ごくり・・・。いいなぁ・・・ライル殿はお金持ちなのか・・・」 

 

ライル「おーい?何やってんだ?早く座れよ」 

 

ポンタ「ほぇ?」 

 

ライル「ほぇ?じゃなくてさ、食いたいんだろ?」 

 

ポンタ「あ、いや、だから、吾輩は今手持ちが」 

 

ライル「いいって、こんぐらい奢ってやるよ。俺も飯まだだったしな」 

 

ポンタ「本当にいいのか?」 

 

ライル「良いって言ってんだろー。こないだは飲ませ過ぎちまったしな。その詫びってことでさ」 

 

ポンタ「かたじけない・・・。ご厚意に甘えさせていただきたい」 

 

ライル「ははっ。ほんとお前おもしれーな。なんでそんな喋り方なんだ?」 

 

ポンタ「あっ・・・。あー・・・えーっと・・・」 

 

ライル「別に無理に言葉直さなくていいぜ。育った環境が違うんだ。いろいろあるだろ」 

 

ポンタ「それは・・・そうなのですが・・・」 

 

ライル「人間、聞かれたくないことの一つや二つ、誰にでもあるだろ。そーゆーのは踏み込まないのが仲良くなる秘訣だぜ?」 

 

ポンタ「ライル殿は出来たお人ですね」 

 

ライル「だろー?もっと褒めていいんだぜー」 

 

 

 

ポンタ「それで、荷物持ちはさせられるわ・・・、武器屋で魔剣に襲われるわ・・・散々でしたよ・・・」 

 

ライル「苦労してんだなぁ・・・。で、そいつがお前の得物か?ほぉ・・・、あっ!そうだ!この後時間あるか?」 

 

ポンタ「あ、はい。今日は一日暇ですよ」 

 

ライル「そうか。んじゃっ、この後少し付き合えよ。食後の運動と新しい武器の練習といこうぜ!」 

 

ポンタ「練習・・・ですか?」 

 

ライル「おうよっ!小遣い稼ぎにもなる、良い所だぜっ」 

 

ポンタ「そんないい場所が・・・?」 

 

 

 

実況「さぁ!皆様お待たせいたしました!次の対戦カードはー、本日のメインイベント!自称最強の名は伊達じゃない!?ビックマウスに見合う闘技場の覇者、暗黒騎士(ブラックナイト)ライル!! VS. 冒険者登録二日目の超ルーキー、剣士ポンタ!!ベールに包まれたその実力はいかに!」 

 

ポンタ「あのー・・・これは一体・・・」 

 

ライル「闘技場だよ。戦って、勝てば賞金!単純だろ?」 

 

ポンタ「いや、えっと・・・なんでこんなことに?」 

 

ライル「お前の実力を知りたかったとこだし、お前も新しい武器に慣れねーとだろ?ちょうどいいじゃねーか」 

 

実況「さぁ!それでは両者のベットが出そろいました!オッズはなんと30倍!」 

 

ライル「あはは。まぁ、そんなもんだわなぁwwでもこれで、俺に勝てば大金ゲットできるぜ?」 

 

ポンタ「・・・勝たせてくれるんですか?」 

 

ライル「んなわけ。勝負はいつも本気じゃねーとつまんねーだろ」 

 

ポンタ「でも僕、魔法使えないですよ・・・?」 

 

ライル「あー?・・・んじゃ、あれだ。俺も魔法なし、剣技だけで真剣勝負といこうぜ」 

 

実況「それでは!勝負開始だぁ!」 

 

ライル「まずは小手調べだっ、はぁ!」 

 

実況「先手必勝!ライルの高速の剣技だ!」 

 

ポンタ「よっと!」 

 

ライル「なかなかいい目してんなぁ!おらぁ!」 

 

ポンタ「ふっ!・・・ふんっ・・・はっ」 

 

ライル「チッ・・・なかなかやるな」 

 

実況「避ける!避ける!避ける!闘技場最速と言われる斬撃を紙一重でかわし続けている!ポンタ選手、やはりただのルーキーではないのか!?」 

 

ライル「でも、避けてばっかじゃ勝てねーぞ!?」 

 

ポンタ「んっ!?・・・ぐはっ・・・」 

 

実況「おっと!?これはどうした!さっきまで完璧に避けていたはずのポンタ選手、自ら攻撃を受けに行ってしまった!」 

 

ライル「ほらよっ!まだまだ行くぜぇ!」 

 

ポンタ「くっ!・・・はぁっ!・・・ぐふっ・・・」 

 

ライル「なんだー?その剣は飾りかー?全然使いこなせてないぞー」 

 

実況「早くも一方的な展開になってしまっている!このまま試合終了となってしまうのか!?」 

 

ポンタM「魔法主体の吾輩では、剣で生きてきた者と渡り合うには経験が全然足りない・・・。しかし・・・、これはチャンスではないだろうか?これから、吾輩が生きる道がここにあるのだ・・・少しでも多くを、盗み取るっ!」 

 

ポンタ「やぁぁぁあっ!?」 

 

ライル「っつ!・・・ははは、やるじゃねーか。今のは一瞬ビビったぞ」 

 

ポンタ「少しわかった・・・。使ってるのは殺気。フェイントとそのスピードに組み合わせれば、魔力を使わなくても幻覚に近い効果を与えれるのだな!」 

 

ライル「ひゅ~♪(口笛)ご名答。やっぱりただの素人って訳でもなさそうだな。剣技はてんでなっちゃいねーが」 

 

実況「ここでポンタ選手が反撃に出たぁ!ヒットこそしなかったものの、ライル選手を大きく退けた!」 

 

ライル「んじゃ!ギア上げるぜぇ!」 

 

ポンタM「見ろ!気配をたどれ、先を読め。魔力は放出するだけが使い方じゃない。魔力操作で必要部位を強化、少しでも早く反応を」 

 

ライルM「動きが変わったな・・・。ならっ・・・」 

 

ライル「はぁぁぁあああ!」 

 

ポンタ「うぉぉぉおおお!」 

 

実況「技と技のぶつかり合いだー!両者の剣が激しく火花を散らすー!」 

 

ライル「それは俺の剣技だぁぁぁあああ!!」 

 

ポンタ「使えるモノは使わないと、でしょう!」 

 

実況「おぉぉおお!これは凄い!!ライル選手の神速の剣に着いて行っている!このルーキー一体何者なんだぁ!!!」 

 

ポンタ「っく!・・・ぐっ・・・がっ・・・」 

 

ライル「どしたどした!俺はまだ早くなれるぞ!」 

 

ポンタ「ぐっ、がはぁっ!」 

 

ライル「チッ!最小限のダメージで距離を取りやがった・・・」 

 

ポンタM「真向からじゃダメだ。本当にライル殿は強いな。上級魔物クラスか・・・?しかし、パワーでは吾輩に分があるな。勝負は次の一撃・・・」 

 

実況「激しいぶつかり合いから一転、両者距離を取り武器を構える!両者の殺気で会場全体が揺れているようだ!それに比例するように観客のテンションも最高潮に!!!」 

 

ライル「いいぜ、来いよぉ!ポンタぁ!」 

 

ポンタ「うぉぉぉおおおおお!」 

 

ライル「はぁぁぁあああああ!」 

 

実況「両者ぶつかり合う!」 

 

ライル「なにっ!?・・・くっ、《暗技・羅刹》!」あんぎ・らせつ 

 

ポンタ「がはっ・・・」 

 

実況「・・・はっ!思わず見とれてしまいました!両者の剣がぶつかり合うと同時、ポンタ選手の絶妙な切り返しにより武器を弾き飛ばされたライル選手!とっさに、必殺の一撃で反撃したぁぁあああ!」 

 

ライル「はぁ・・・はぁ・・・」 

 

ポンタ「・・・」 

 

ライル「チッ、くそっ・・・思わず使っちまった・・・」 

 

実況「ポンタ選手行動不能!勝者!ライル!!!」 

 

ライル「《暗技・解除》」 

 

ポンタ「かはっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 

 

ライル「悪い。勝負はお前の勝ちだ・・・」 

 

ポンタ「今のは・・・?」 

 

ライル「俺の必殺技の一つだ。決まれば少しの間、行動不能にできる」 

 

ポンタ「そんな技が・・・」 

 

ライル「まぁ・・・、使用条件はちと厳しいけどな」 

 

ポンタ「ははは・・・いい経験になりました。まだまだ知らない世界が多そうです」 

 

実況「ここで両者、握手を交わす。いま一度、最高の試合を見せてくれた両者に盛大な拍手を!」 

 

 

 

ライル「悪かったな。無理やり付き合せちまって。ほら、ファイトマネーだ」 

 

ポンタ「いや、これは・・・」 

 

ライル「勝者のもんだからな。俺はルールを破った。漢の約束は絶対、だろ」 

 

ポンタ「そーゆーことなら・・・。ありがたく貰いますね」 

 

ライル「にしてもよぉ。只者じゃねーとは思ってたけどよぉ?・・・あの動き」 

 

ポンタ「え?」 

 

ライル「動きは一流かと思えば、剣技はただの素人でよぉ、なのに途中からは俺の動き真似してやがっただろ」 

 

ポンタ「あはは・・・。いろいろ勉強になったよ。ありがとう」 

 

ライル「ちぇっ・・・。結局わかんねーことだらけかよー・・・。素人が簡単に真似できるほど、俺の動きは簡単じゃねーはずなんだけどなぁ・・・」 

 

ポンタ「あっ、そうだ。お金も手に入ったし、夕飯でも一緒にどうですか?奢りますよ」 

 

ライル「おぉ、いいねぇ!もっとお前の事聞かせろよー?」 

 

ポンタ「じゃあ、剣術教えてくださいよ」 

 

ライル「ははっ、いいぜ」 

 

 

 

―――次回予告 

実況「次回予告のお時間です!」 

 

ライル「お前ほんと苦労してたんだな・・・。記憶喪失なんてよぉ・・・」 

 

ポンタ「まぁ・・・。でも、今はミィもリンも助けてくれるので」 

 

ライル「なんかあったらいつでも言えよ?俺たちもう親友だからな!」 

 

実況「拳と拳、もとい剣と剣を交え語り合った二人。 

   男の友情を築き、いざ旅立ちへ。 

   次回!!『さばくは人の業火なり』」 

 

ライル「冒険の始まりだぜ!」 

 

ポンタ「あれ?ライル殿、向こうからアルベール殿が・・・」 

 

ライル「っ!?やっべぇ!今日の家事当番、俺だった!!!」 

 

 

 

 

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