よくある兄妹の会話

【よくある兄妹の会話】 

♂1人 ♀1人 計2人 

5分 

 

兄 

 

妹 

 

 

―――――――――――― 

兄「なぁ、妹よ。今日は母の帰りが遅いらしい」 

 

妹「うん。知ってる」 

 

兄「父は不倫相手の家に泊まるそうだ」 

 

妹「うん。知って・・・え?」 

 

兄「そして、俺もお前も料理ができない。夕飯はどうする?」 

 

妹「え?え?え?ちょっと待って!問題そこじゃなくない!?」 

 

兄「妹よ、美味しい食事を摂ることはとても大事なことだぞ。ただ栄養素を摂取するだけなら、サプリメントで済む話だ。しかし、食事というものは栄養素を取り込むことだけが目的ではなく、美味しい食事を食べると幸福感や満足感を得ることが出来き、それはとても幸せな・・・」 

 

妹「あーもう!じゃあ夕飯は出前でも取ればいいじゃん!」 

 

兄「うむ。そうだな。では妹は何が食べたい?寿司か?ピザか?中華も捨てがたいな」 

 

妹「何でもいいよ!!私が気になってるのは不倫ってとこだよ!」 

 

兄「ん?プリン?デザートメニューであったりはすると思うが、まずはメインの料理をだな・・・」 

 

妹「プリンじゃないよ!お父さんの不倫の話!どういうことなの!?」 

 

兄「何をそんなに怒っているのだ?何も、今に始まった話でもないだろう?」 

 

妹「前からなの・・・?」 

 

兄「あぁ。知っている限りでは今の相手とは2年前からだな」 

 

妹「今の・・・?」 

 

兄「それ以前にも何人か居たが、俺が会ったことがあるのは今の人だけだな」 

 

妹「会ったこともあるの!?」 

 

兄「会ったも何も、俺の元担任教師だからな」 

 

妹「え?それって今の私の担任だよね・・・?」 

 

兄「ちなみに、俺は父の愛人の子供らしい」 

 

妹「なんでこのタイミングでカミングアウト!?」 

 

兄「ずっと言う機会を探していたんだが、ここかと思ってな」 

 

妹「絶対違う・・・。もういろいろとキャパオーバー過ぎるよ・・・」 

 

兄「まぁ、そのなんだ。とりあえず夕飯はピザでいいか?」 

 

妹「うん・・・てりやきと明太のハーフのやつがいい」 

 

兄「分かった。電話注文してくるから静かにな」 

 

妹「行ってらっしゃい」 

 

・・・・・・ 

 

妹「えーっと・・・は?」 

 

妹「情報量が多すぎて処理しきれてないよ・・・?」 

 

兄「妹よー。サイドメニューは何か頼むかー?」 

 

妹「適当に頼んどいてー」 

 

兄「では、追加でフライドポテトとプリンをお願いします」 

 

 

 

兄「ただいま。あ、そうだ妹よ。俺たちは血が繋がってないらしいぞ」 

 

妹「なんでさらに増えるの!?なに?ピザ屋さんに聞いたの?ってかじゃあ、私は何処の子なの!?」 

 

兄「ピザはMサイズでよかったよな?ちゃんとプリンも頼んでおいたぞ」 

 

妹「あ、ありがとう。じゃなくて!会話して!?私の声届いてますかー!!」 

 

兄「聞こえているぞ。背は小さいが、声だけは大きいからな」 

 

妹「うっさい!背が小さいとか余計なお世話!って、また話し逸らす!」 

 

兄「まぁ、その、なんだ。ピザが届くまでに1時間かかるらしいし、しりとりでもするか?」 

 

妹「・・・する。もう、このもやもや全部ぶつけるから」 

 

兄「じゃあ、俺から。り・・・り・・・『理由なんていろいろあるんだよ』」 

 

妹「『よくわかんないよ。いきなりこんなにいっぱい言われても』」 

 

兄「『もうすぐ妹が生まれるらしいからな』」 

 

妹「『なんでまだ増えるのよ!?』」 

 

兄「『良かったな。妹か弟が欲しいって言ってたじゃないか』」 

 

妹「『母さんの子?それとも愛人の子?』」 

 

兄「『子供がお腹にいたら目立つぞ?』」 

 

妹「『そうだよね・・・じゃあ・・・』」 

 

兄「『ああ。母さんの子だよ』」 

 

妹「『よくわかんない!話の流れも何もかもわかんないよっ!?』 

 

兄「『よく考えれば分かるはずだよ。最近父は帰ってこない。母と俺は毎日同じ部屋で寝ている。分からないかい?』」 

 

妹「『い、妹は兄貴と母さんの子・・・?』 

 

兄「『コングラチュレーション!やればできるじゃないか』」 

 

妹「『考えたくない!やってできたのは兄貴たちじゃん・・・』」 

 

兄「あっ、『ん』で終わったからお前の負けだな」 

 

妹「もうどうでもいいよ・・・」 

 

 

 

 

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